74 / 123

少しの我慢だ。 ぎゅっと目を瞑って耐えればいい。 それで収まることだ。だけど……。 「いっ、嫌だ!」 「それを早く言え」 声より先に熱を感じた。 あの人がいる。 「帰ろうかと思ったぞ」 体が熱い。頬が火照る。 離れても諦めても、熱が冷めない。 「なんだ?君が今日の相手?」 課長の言葉がその熱を奪った。

ともだちにシェアしよう!