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あいつの背後にそっと回った。 見事に背中を胸にぶつけて来た。 こちらを向かせたい。 それで言った。 「おまえ、ここで何している?」 振り向かなかった。 「し……仕事」 担当は従兄弟に紹介されている。 矍鑠とした情報通。 口の堅さはピカイチ。 「あの婆さんが?嘘臭い話だな」 苛立ちが募って冷たく言った。

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