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第32話
互いの舌を擦り合い、絡ませ、強く吸う。
唾液が溢れ、光の顎を伝う。
一真はそれを舐めとりながら、頬に舌を伸ばした。
塩の香味がする。
泣かせてしまったのか。
お詫びに、耳を優しく食んだ。
息を吹きかけ、耳朶をついばみ、耳孔に舌先を差し込んで繊細な刺激を与える。
「あぁ……」
甘い声を上げ、光が身悶えた。
耳が弱点だな、と胸に刻み、一真は唇を首筋に移動させた。
羽根のように軽いキスの合間に、敏感な部分を強く吸う。
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