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第8話

「直人の部屋、久しぶりだな」 「何も変わっちゃいないぞ」  そうそう。何も変わってない。  几帳面に整頓されたデスクの上だとか。  お行儀よく並んだ本棚の蔵書だとか。  この観葉植物だけは、少し伸びたかな?  直人が女の子と付き合っている間は、入れなかったこの部屋。  何も変わっていない事が嬉しい、梓だった。    お菓子の袋を開け、ジュースのタブを切り、直人は溜息をついた。 「やっぱり、恥ずかしいな」 「いまさら何だよ。大体、僕たちの間で、そういうの無いだろ」  そうだよな、と直人はジュースを一口飲んだ。  そして、やにわに語り始めた。 「梓。お前が言った通りなんだ」 「僕、何か言ったっけ?」 「2か月目にエッチする、って話」  実は俺も、そんな感じだったんだ、と赤くなる直人。

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