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第10話
でないと、これからも同じことの繰り返しになる、と梓は訴えた。
「直人、浮かれてたろ。これで脱・童貞! とか何とか。彼女の前でもそんな事言ったんじゃ……」
「言ってない!」
「じゃあ、リプレイしてみせろよ」
「うん……」
しぶしぶながら、直人はベッドに腰掛けた。
梓は、その隣にぴたりと寄り添った。
(直人が、こんな近くに)
ヤバい、ドキドキしてきた、と梓は手に汗をかいていた。
その手を、直人がそっと握ってくる。
「す、好きだよ」
(ああ、直人。僕も好きなんだ)
じっと、二人見つめ合った。
「……ここで、キスした」
「う、うん」
(僕には、してくれないのか……)
そして、しばらくして……彼女が……。
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