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第2話 ミツバチと乳フェチの浩太先輩

 ムカつく。まだ殴られた頬がじんじんする。  たかが煙草を持ってたくらいで殴るとは、今時信じられねえぐらいの体罰教師だ。 「ああ、腹立つ!」  思い切り廊下の壁を蹴れば、すぐ横で「ヒッ」という情けない声がした。 「何見てんだてめぇ、ぶっ飛ばされてえのかっ!」 「あ、あぅ……ごめ、ごめんなさい……」 「蜜羽っ――?」  脳天に稲妻が落ちたような衝撃が走り、俺は慌てて彼の肩を撫でた。 「わ、悪かった。泣くな。泣くな蜜羽。お前だと思わなくて……」 「い、いえ。俺こそびっくりさせたかも、ごめんなさい……」  蜂川蜜羽――この学校で唯一の天使。この学校で俺が唯一無条件に心を許している存在。 「あの、……#浩太__こうた__#先輩、どうしたんですか? 顔赤いし、イライラしてるんですか……?」 「ああ、ちょっとな。これは教師に殴られた、大したことねえ」 「痛そう」  不安げに俺を見上げる大きな瞳。その目に見つめられると何故だかムラムラしてきて、さっきまでのムカついた気分が瞬時にどうでもよくなってくる。 「……ちょっと痛てぇかも」 「だ、大丈夫ですか?」 「お前が手当てしてくれよ、蜜羽ちゃん」 「え、……?」  一瞬目を丸くさせた蜜羽が、眉根を寄せて力強く頷いた。 「わ、分かりました! 頑張って手当てします!」  場所は体育用具室。少し暗くて埃っぽいが、入り口から奥は広いし、ここ以上に上手く隠れられる場所はない。 「ん……」 「ああ、すっげえ良い感じ。手当てが上手いな、蜜羽」 「ほ、本当ですか? ……ただキスしてるだけって感じしますけど」  蜜羽は困惑しているが、柔らかい蜜羽の唇が触れるだけで最高に心地好いから問題なしだ。俺は彼の肩を抱き寄せ、あぐらをかいた自分の膝の上に強引に座らせた。後ろから抱っこしている状態だ。 「あー、癒される……抱き心地最高」  俺の腕の中にすっぽりと収まる、この感じが堪らなく好きだ。蜜羽の体温。体の柔らかさ。そして髪から漂う甘い匂い――。 「浩太先輩、ほっぺた大丈夫ですか?」 「蜜羽のお陰でかなり良くなったぜ。……次は傷付いた俺の心を癒してもらいてえなぁ」 「お、俺で良いなら……」 「お前じゃなきゃ駄目だ」  ちらりと俺を振り返った蜜羽が、少し困ったように眉尻を下げる。 「具体的にどうすればいいですか? 俺、そんな大したことできなくて……」 「いいんだよ、お前はただそうやって座っててくれれば」  よく分かっていない顔をしながらも「はい」と頷く蜜羽が可愛くて、俺はその頬に優しく口付けながらシャツのボタンを外して行った。 「すべすべしてる」  剥き出しになった蜜羽の肩に唇を這わせ、頬擦りする。まるで殻を剥いた高級な玉子みたいだ。こんな体を抱きしめて眠れたら、毎晩最高の夢が見られるだろう。 「浩太先輩……」 「うん?」 「い、癒されてますか?」  耳まで真っ赤にしている蜜羽だが、その全てが俺を煽っているとしか思えない。俺は唇の端を弛めて笑い、その耳を「はむ」と唇で挟んだ。 「わっ?」  ちらちらと耳のふちを舌先でなぞりながら、胸元に忍ばせた指で蜜羽の小さな乳首に触れる。 「んん、ぁっ……」 「全身が性感帯だな」 「ち、違います……乳首、あっ……」  左右の乳首を指先の腹で押し、ゆっくりと円を描くように転がすと――蜜羽の体がビクビクと痙攣した。 「――ふあっ! せ、先輩、あぁっ……」  すぐに硬くなった蜜羽の乳首は今まで見てきたどの乳首よりも綺麗で、感度が良く、乳輪の色と形も良い。日頃から男達に弄られまくっているはずなのに、まるで処女のような色の乳首だ。舐めればマジで桃の味がするんじゃないかと思うくらい、まさに芸術的な一級品だった。 「浩太先輩っ、そこ、そんな弄ったら……俺……」 「いいんだよ、俺はお前のその気持ち良さそうな声に癒されてんだから。ボイスヒーリングってやつ」 「ほ、本当にそんなのあるんですかっ、……あぁ……!」  それより、と俺は蜜羽の耳に低く囁いた。 「俺に弄られてイヤラシくビン勃ちさせてんじゃねえか、ミツバチちゃんよ」 「や、ぁ……先輩、そんなこと、……」 「そんなことねえって? これでも?」  指を広げた手で平らな胸板を支え、人差し指だけを使って蜜羽の乳首を下から上へと弾いてやる。 「あっ――!」 「ほら、こんな硬くなってんじゃんかよ」 「やっ、先輩、やぁっ……あっ、あ……」  何度もくすぐるように弾いてやる度に、面白いほど蜜羽が声をあげた。体をくねらせて刺激から逃れようとしているが、俺のテクニックにかかればそんなものは無意味でしかない。 「んぁ、あ……むずむずします……」 「どこが?」 「……あ、あそこが……です。……ちんちん」  訴えるような声で言われて思わず噴き出しそうになる。 「コスってほしいか? ファスナー下ろして、出してみな」 「お、お願いします……」  言われた通りに蜜羽が自分で制服のファスナーを下ろし、中からガチガチに硬くなったそれを抜き出した。  上を向き涎を垂らしている蜜羽の桃色ペニス。寒いのか恥ずかしいのか、それはぷるぷると震えている。 「先輩、触って下さ、……」 「だめ」 「そ、そんなっ」 「俺はお前のおっぱいに夢中なんだよ。そっちもしゃぶりてえけど、今はだめ」 「うー、……」  そろそろと蜜羽が自分で触れようとする。が、すんでのところでその腕を掴んで言ってやった。 「乳首だけでイッてる蜜羽が見てえ」 「えっ、あ、……そ、そんなの……無理です、……!」 「何で? エロいじゃん」 「だ、だってそんなのしたこと……あっ、あ……で、でも先輩が、そういうなら……。が、頑張ります、けど……!」  ――チョロいを通り越して、もはや天使だろ。  俄然やる気の出た俺は蜜羽の片腕を自分の首の後ろに回してしがみつかせ、脇の下から顔を入れて右の乳首を口に含んだ。 「――あんっ! あ、ふあぁ……、浩太先輩っ……」  とろけた声。俺の舌もとろけそうだ。実際にはそんなことはないと分かっているが、……蜜羽の乳首が甘くて堪らない。 「先輩っ、やぁ……! ちんちん扱きたいっ、お願い……!」 「んー。蜜羽のおっぱい甘くて美味い……」 「浩太先輩ってばぁ! ――んあぁっ!」  吸い付いて舌で転がし、反対側の乳首も忘れずに指で弾いてやる。片腕を床について体重を支えながら、蜜羽の顔はもうへろへろだ。触れていないのに硬くなったままのペニス――その先端は体液で濡れ光っていた。 「勝手にちんちん扱いたら、罰として髪の毛クルクルにしちゃうからな」 「や、やですっ……。あ、あぁ……もう、何だか俺、俺――」 「お。イきそうか?」  なるべく気持ち良くなってもらおうと、更に強く乳首を吸い上げる。 「はっ、あ……! あぁっ……イく、イっちゃ……ああぁ!」  瞬間、蜜羽の体にじわりと汗が滲み、仰け反らせた上半身がビクビクと痙攣した。 「お? 射精しねえでイッたのか。ケツも弄ってねえのにドライで?」 「ふあ、あ……はあぁぁ……」  半開きのとろけた目で何度も深呼吸を繰り返す蜜羽。その姿はまるで、たっぷりとハチミツをかけられた焼き立てパンケーキのようだ。 「大丈夫か?」 「き、気持ち良かった……イッちゃう時の感覚が、止まらなくて……」 「頑張ったな。エロくて良い子だったぞ」 「先輩のも硬くなってたけど……俺、抜きますか?」 「平気、平気」  散々味わった乳首のエロさと、蜜羽が俺の膝の上でケツを振っていたお陰で、…… 「……実は俺、パンツの中でイッちまってるから」 「え、ええぇっ……? 先輩、大丈夫ですかぁ……」 「ミツバチちゃん……。べとべとで一歩も動きたくねえ……」 「お、俺、トイレットペーパー持ってきます……!」  まだ自分もふらふらのくせに、立ち上がって倉庫を出て行く蜜羽の背中。頼りない足取りながらも俺のために頑張ってくれる姿が愛おしい。 「今度、好きなアイス奢ってやるからな!」  叫んだ俺を蜜羽が振り返り、とろけた笑顔で親指を立てる。  その顔でまたイきそうになったが何とか堪え、俺は仕方なく苦笑した。  第二話・終

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