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第20話 ミツバチと先輩たちのパーティー

 花見が丘学園高等部の七不思議――「真夜中の校舎には気を付けろ」。 「………」  見慣れているはずの校舎だけど、さすがに真夜中の学校に一人となれば足が竦む。  俺は両頬をピシャリと叩いて気合を入れ、真っ暗な中に非常用照明がぽつぽつ灯る廊下を歩いて行った。  さっさと教室に忘れた宿題を取って、早く寮に帰ろう……。  二年A組。幸いにも俺の席は入り口の近くだったため、すぐに机の中を確認することができた。  問題集とノート。それを急いで鞄に入れて、すぐに元来た道を帰ろう――とした。 「ん」  静寂の中、ふいに遠くの方で音がした。それは人の声にも似た音だった。  階段のすぐ近くまで来た時、「声のような音」は「人の話し声」に変わっていた。そこでようやく安心できた。取り敢えずは心霊の類のモノではないらしい。大勢で馬鹿騒ぎをしているような、そんな声だった。  単純な好奇心から階段を上り切り、廊下を左に曲がってすぐにある三年E組の教室をそっと覗く。薄らと開いた入り口のドアに鼻先をくっつけ、中の様子を伺う。  予想通り、教室の中には数人の生徒達がいた。  煌々と灯る蛍光灯の下、椅子や机の上に座った生徒達が缶ジュースを呷り、スナック菓子を頬張って楽しそうに雑談している。  楽しそうだなぁ。 「………」  思った瞬間、ズシ、と肩が重くなるのを感じた。  突然のことに声をあげる間もなく、肩に置かれた手が俺を引っくり返して後ろを振り向かせる。目の前に現れた男の顔を見た瞬間、喉の奥で悲鳴の塊が飛び出しかけた。  あうあうと口を開けて顔面蒼白になった俺を見て、その三年生がブッと噴き出した。 「何やってんだお前? こんな時間に」 「えっと俺、二年の蜂川蜜羽です。教室に忘れ物して……。そしたら声が聞こえたから……あの、先輩たちは?」 「そうか。俺は三年の#隆__タカシ__#だ。蜜羽、せっかくだし皆で遊ぼうぜ」 「えっ……?」 「よし、行こう!」  俺は無意識のうちに頷いていたらしい。隆に腕を引かれ、三年E組のドアを豪快に開け放つ。 「お前ら、蜜羽くんが来てくれたぞ!」 「おぉっ?」  その瞬間、室内にいた先輩たちの顔がパッと明るくなった。 「じゃあ蜜羽、始めようか」 「な、何をです?」 「パーティーだろ。お前は特別ゲスト」 「……わっ!」  目線が急に高くなる。隆に抱きあげられたと分かったのは、彼が俺の耳元で囁いた後だった。 「特別だからお姫様抱っこ」 「わ、わ、おろして下さいっ……」  隆はまるで荷物でも持つように軽々と俺を抱え、そのまま教室の正面――黒板の前にある教卓の上へ俺を下ろした。 「よっし。そんじゃ蜜羽くん、良い子にしてろよ」  俺の背後に立った隆が、伸ばした両腕で俺を抱きしめた。太い腕に固定され、それだけで身動きが取れなくなる。 「こっち向け」  隆の低い声が俺の耳朶に直接注がれた。  室内の生徒達全員が俺と隆に注目している。 「んっ……!」  顎を捕らえられ、唇を奪われる。 「……あ」  唇の隙間を割って、隆の舌が侵入してきた。ざらついた舌に口の中をかき回され、背筋にぞくぞくと鳥肌が立つ。  唇の端から唾液が漏れても、隆は執拗に俺の口の中へ自分の唾液を送り込んでくる。その舌から逃げようと自分の舌を動かす度に唾液が溢れた。 「ぷはっ……」  ようやく隆の唇に解放され、俺は放心状態で隆の目を見つめた。 「……ふ、あ……先輩……」 「蜜羽はゲストだからな。こいつらにも楽しんでもらわねえと……」  隆の低い声に、俺は体を震わせる。…… 「お前ら、もっと近くで見てもいいぞ」  生徒達に向かって隆が言い、そのまま俺のシャツの裾を両手で掴んだ。教卓の前に生徒達が集まって来る。誰も彼も、その顔には興奮の色が浮かんでいた。  彼らを、そして俺を焦らすように、ゆっくりと隆の手が俺のシャツを捲ってゆく。腹筋があらわになり、更にシャツが捲られる。 「っ……」  潤んだ目で自分を見下ろすと、隆の手は俺の乳首がさらけ出されたところで止まっていた。 「オラ、お前らが大好きな美少年の乳首だ。早いモン勝ちだぞ」 「うおっ、隆さん、俺、俺!」「俺だろ!」「馬鹿違う、俺!」不毛な言い合いが始まり、俺の背後で隆が苦笑した。 「じゃあお前と、お前。がっつくなよ、順番でやればいいんだからさ」  隆に指名された二人の生徒がオッシと拳を握り、俺の左右まで寄ってきた。身を屈め、胸元に唇が近付けられる。俺は息を飲んで強く目を閉じた。 「――あっ!」  覚悟していたよりもずっと強烈な刺激だ。二人の男の唇に挟まれた左右の乳首が、口の中で転がされ、強く吸い上げられ、啄まれる。電流に似た刺激はその二点から腰に伝わり、俺は思わず背後にいる隆の顔を振り向いた。 「やっぁ……、だめです、先輩っ……!」 「蜜羽、いい顔してるぞ。すっげえエロい」 「そんな訳っ……あぁ!」  右側の乳首を一層強く吸われ、思わず腰がビクついた。 「あっ、ン……もうやめっ……あぁっ!」 「可愛い声してんなぁ」  左側を舌で激しく転がされる。左右で微妙に違う刺激に、俺はかぶりを振って身をくねらせた。 「あ、っあぁ、もう……! あっ、あ……」  回りの生徒は各々スマホを俺に向けている。シャッター音が響き、中には動画で撮ってる人もいた。 「ん、んぁっ……」 「蜜羽……、感じるか?」  耳元で隆が囁いた。  俺は首を横に振る。何度も、何度も。 「気持ちいいか?」  再度囁かれ、首を振りながらそれに答えた。 「いっ、いい……。気持ちいいっ……!」 「可愛いな」 「ふあぁっ……」  それからたっぷり三十分以上は乳首を吸われていたかもしれない。今乳首を愛撫しているのは最初の男達でなく、既にこれで三組目だ。もう声を出すのもままならなくなって、俺は荒い呼吸を繰り返しながら半開きになった目でただ宙を見つめていた。  自分でも分かるくらい、ジーンズ越しに股間が盛り上がっている。どうしてもそこに触れたくて、でも隆にしっかりと掴まれた両手は動かなくて、今にも意識が飛んでしまいそうだった。 「お願い……です、触って……もう無理だから……お願い」  懇願する俺を見て、周りの生徒が笑っている。隆も、俺の乳首を啄んでいる男達も。 「そんなに言うなら仕方ねえなぁ。でも、どこを触って欲しいか分かんねえよな」 「あの……パンツ、濡れてて気持ち悪いです……」 「そうか、じゃあ最初にパンツ脱がしてやんねえとな。よし、お前ら一旦蜜羽から離れろ」  俺の乳首を啄んでいた二人が離れて行き、ジーンズのベルトに隆の手がかけられた。金属の音。続いて、ファスナーが下げられる音。俺は息を飲んでその瞬間を待った。 「普通のボクサーパンツか。色気ねえなぁ」 「あっ……」  剥き出しになったボクサーパンツの上から隆の手が触れた。盛り上がったその部分を確かめるように、隆の太い指が表面をなぞる。 「ふ、あっ……」 「まだ直には触ってやんねえ」 「お、お願いします……触って――あんっ……!」  布越しに指先で摘まれ、俺は背中を仰け反らせた。 「直に触ってほしいか?」 「は、はい……」  隆の手が俺のボクサーパンツを脱がしてゆく。シャツの時と同様、ゆっくりと焦らすような手付きだ。周りの生徒は息を潜めて俺達を凝視している。 「いいのか、蜜羽ちゃん? 脱がすぞ、脱がすぞ」 「んっ、ん……」  もう下の毛が見えている。俺のそれはパンツに押さえられ、反り返っているはずなのに無理に寝かされていた。じれったくて、でも恥ずかしくて、息が詰まりそうになる。 「っ……!」  最後の数センチ、下着をずらされた反動で俺のペニスが勢いよく飛び出した。小さな歓声と笑い声が起き、俺は真っ赤になった顔を横にそらして目を瞑った。 「可愛いサイズだな。形も綺麗だし色も……蜜羽は童貞だもんな」  からかうように言われ、耳が熱くなった。 「まだ誰にも使ったことねえんだろ。それなのに、こんなに勃起させて先っぽなんてヌルヌルになってんじゃねえか」 「やっ、あ……」  隆のドスの効いた低い声が、俺を耳の奥から犯してゆく。 「よし、そんじゃコッチも二人くらいで相手してやれ。近いからお前と、お前で」 「おっし!」「アザッス!」  下着は完全に脱がされ、シャツは首元まで捲られ、殆ど全裸になった俺は更に教卓の上で両脚を開かされ、これ以上ないほど淫らな格好になっていた。 「うあっ、あ、あっ……!」  二人の生徒の尖った舌が、俺の先端をつつくように舐め回す。凄まじい勢いでその部分から頭蓋の頂点まで、鋭い閃光のような刺激が走った。 「や、あっ……! いいっ……あっ、あっ」  根元から舐め上げられ、先端に達し、また根元から舐められる。更に背後から伸びてきた隆の手が俺の乳首を揉み始め、あまりの快感に俺の目からどっと涙が溢れた。  俺の痴態を見ている生徒達の中には、自分のそれを扱いている人もいる。煙草臭い室内に男の匂いがプラスされ、何だか凄くいやらしい気分になった。 「蜜羽、言ってやれよ。舐めるだけじゃ満足できねえ、ってよ」  耳元で低い声。 「えっ……。でっ、でも……気持ちっい……あっ」 「もっと激しくしゃぶってもらいたくねえの? 蜜羽のチンポ、じゅるじゅるーって音たてて吸ってもらいてえよなぁ?」 「し、してっ……!」 「こいつら、蜜羽がちゃんと言わねえと分かんねえんだよ。だからはっきり言ってやれ」  隆の声は心底この状況を楽しんでいるようだった。 「……あっ、しゃぶってくださ、い……俺の、ちんちん……音たてて吸って……!」  待ち構えていたかのように、一人が俺のそれを勢いよく口に含んだ。熱い口の中、熱い舌が巻き付いてくる。中でビクつく俺のそれも、相当に熱い。 「やぁっ! あっ、ん……。あっ、あ……」  音をたてて吸い上げられ、耐えきれず腰が浮いた。もう一人の生徒はもっと身を屈めて、俺の玉を口に含んでいる。 「も、無理っ……先輩っ、あぁっ……!」 「ん?」  両方の乳首を抓られ、下半身も大変なことになっていて、とっくに限界を超えていた。もう我慢できない。今すぐじゃなくても、数秒後にでも絶頂に達してしまいそうだった。 「イくっ……もう、無理……!」 「蜜羽がイきそうだってよ。咥えてる奴、ちゃんと飲んでやれよ」 「あっ……イくっ、イくっ……あぁっ!」  痙攣を起こした下半身。  もう、何も考えられなくなった。 「ふ、あ……気持ちよかった、です……」  目を閉じ、大きく深呼吸。 「……え?」  再び目を開くと、そこには――誰もいない。 「………」  サーッと顔が青くなり、俺はいそいそと服を直してからダッシュで教室を後にした。  第二十話・終

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