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第18話
サイドテーブルにワインとグラスを置き、椅子に掛ける黒崎。
ベッドの上に転がされた泉は、手足を折り曲げてしまった。
「おい、そんなに丸くなってちゃヤれねえだろ」
「ヤだッ」
顔を枕に埋め、小さく震える泉の髪を撫でながら、佐野は優しく囁いた。
「黒崎はな、俺たちに意地悪でこんな事はしねえ」
「う……」
そろりと目線を上げ、佐野を見る。
ふざけている色は、そこにはない。
さらに顔を上げ、黒崎を見た。
ノゾキの変態臭さは、うかがえない。
「な?」
「ん……」
瞼を閉じ、泉はそろそろと佐野のキスを受け入れた。
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