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第27話

 浩宇は、ただうっとりと愛する天佑との情事の余韻に浸った。  体が、引き攣る。  勝手に、痙攣する。  そっと、腹に手を当てた。  温かい。  熱い。  ここに、天佑の種が。 「天佑、愛してる……」 「俺の赤ちゃん、産んでくれる?」 「もう。プロポーズが先でしょ」 「そ、そうか」  睦ごとの後のおしゃべりも、まだ少年の二人ではぎこちなかった。  しかし、ぬくもりに満ちていた。

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