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異世界モフ専

 突然のトリップで、やってきた異世界……。  モフモフ好きの俺としては、獣人だらけの住民に、最初ばかりは胸躍らせた。  チートなのかパラレルワールドなのか言葉の心配もなく、食材は日本とよく似ていて、一人暮らし歴が長く趣味が料理、実は弁当男子の人気ブロガーだった俺は、住み込みの料理人として難なく仕事も見つかり、せっかく来た異世界を満喫する毎日だった。  だけど非獣人の人間は、獣人に少しばかり敬遠されていたし、何より……俺はショックだった。  奴らは、全然モフモフじゃないのだ。  はっきり言って毛並みが死んでる。  良く獣体に変化するわりに、モフモフの手入れがなってない。  絡みまくり、艶なしで、とてもモフりたい気持ちにはなれなかった。  ほんと、誰でもいいから俺にブラッシングさせやがれ。  リンシャンさせやがれってんだ。  くそっ。  せっかく良いモフモフを見つけて存分にモフりたいと思ってたのに!!  実に無念だ。  そう思っていたある日のこと、俺の職場のレストランに金持ちらしいヒョウ族の獣人がやってきた。  最初俺は、そいつがてっきりネコ族だと思っていた。 「だから、この料理を作った奴に会いたい」というテンプレ中のテンプレなシチューエーションのさなか、俺は友好を示すために、視線を反らしながらにじり寄った。  もちろんネコ族に対するやり方だ。  ガン見したら、警戒されちゃうもんね?  獣人好きな俺としては、気に入られたくてがんばった訳である。 「お前が、料理人か?」  俺を呼び出した獣人は実にイケメンだった。  おお!  と、思わず感嘆しながら俺は頷いた。  ロシアンブルーじゃん!  好きなんだよ~!!!  あの猫最高じゃん!!  色合いといい、凛とした表情といい。  俺の好みドンピシャです!!  人の頭からひょっこり出てる耳と、足の間から見える長い尻尾。  毛艶がよければ最高なのに。  俺はその時はそう思った。  もちろん後からそいつがネコ族なんかじゃないと知ることになるんだけど。 「私の屋敷で働くつもりはないか? 料理人として」  そのようにヘッドハンティングされた俺。  だって働いてたレストランの倍出すって言われたんだもん!!  すぐ荷物まとめました。  でさ、その後ちょっぴり後悔することになる。  なぜなら俺、そのイケメン、ゲルマに誘惑されたから。 「祥史(ショージ)、私の物になれ」 「なれと言われましても、ほら、俺男ですし?」 「大丈夫だ。  そんな些細なこと、私は気にしない」  そういうと、ぺろりと大きな舌が俺の顔を舐めた。  ざらざらとした舌の感触に慄おののく俺。  俺は気にします。  そう言いかけた俺なのだが、次の瞬間獣体に変化したゲルマを見て、思わず失神してしまった。  いくらモフモフ好きとはいえ、巨大な肉食獣が目の前に現れたら恐怖に支配されるものだと、初めて知った。  ゲルマはヒョウ族だったのだ。  変化した獣体の見た目は、地球のクロヒョウそっくりだった。  でも動物園で見るよりずっと大きい。  で、失神したのが運の尽きというか、俺、ゲルマに食べられちゃった。  あ、比喩的意味ね?  失神したのをいいことに、ゲルマは寝てる俺の服をひんむいて、ケツを掘りやがったのである。  まさかの獣姦、しかも掘られる方とは、モフモフ好きの俺もびっくりだわ。  バックで掘られて、体全体をゆさゆさ揺らされてる時に我に返った俺だったけど、その強烈な快感には参ったね。  媚薬入りの潤滑剤使うなんて、ヒョウ族ってホント狡猾。  それから俺は哭かされまくってイカされまくって。  知らない間にゲルマと結婚してた。  ゲルマが言うには、俺のこと一目ぼれだったんだって。  で、その日のうちに頂かれちゃった俺だけど、一個褒められたいことがある。 「やぁぁぁぁん!!  はずしてぇぇぇぇぇ!!!!」   あ、俺、今、ゲルマにガツガツ掘られてるとこ。 「祥史(ショージ)、結婚してくれ!!」  と、身体の奥を太くて熱いもんが出し入れされてこれ以上ないって程、責められてるのに、失神している間に俺のムスコの根元はリボンで締められていて。 「はぁぁぁぁぁん!!!!!  やっだぁぁぁぁっ!!!!!  逝きたぁぁぁぁい!!!!」  死ぬほど気持ちよくて逝きたいたいのに逝かせてもらえなくて、俺は半狂乱だった。 「結婚してくれるなら、外してもいい」  そう言ったゲルマに、俺は叫んでいた。 「モフモフじゃなきゃ、やだぁぁぁぁ!!!」  もちろんゲルマにモフモフの概念はないい。  哭かされているというのに、俺凄い。 「モフモフとは、なんだ?」 「やぁぁぁぁん!!!  ゴリゴリしないでぇぇぇぇ!!!」  あ、今、ゲルマに前立腺ゴリゴリされてるとこね? 「だからモフモフとは……」  まあそんな感じで、気持ちよすぎて自分から腰振っちゃうとか、ビッチすぎる俺だけど、何とかモフモフの醍醐味を分かってもらった。  ゲルマの獣体すべて、俺が好きなだけお手入れ出来ることを約束させたわけだ。 「もふもふ……ウフフ」  で、現在、約束通りにモフモフになった俺の旦那ゲルマ。  モフモフ中のモフモフ。  モフモフキングである。  毛がもうちょっと長いともっとモフれるのだが、贅沢は言うまい。  毛が短いからこそできるプレイもある。  指を差し入れて思う存分にモフらせてもらってるので、それだけで満足だ。  もっともその後いつもゲルマに日付が変わるまでケツをガン掘りされちゃうんだけど、それでもモフモフはやめられない。  気持もいいし、むしろカモン状態だ。  つくづつビッチに調教されたぜ、俺のケツ。 「奥様、今度の香油はいかがでしょう」  そう言われて、ゲルマ用の毛艶整えオイルを厳選する俺。  あ、今使用人たちに囲まれてます。  なぜならゲルマ、ヒョウ族の王様だったんだよね?  ほんとビックリなんだけど。  金持ちだとは思ってたけど、王様だったとは。  とんだ玉の輿である。  お陰でモフモフの手入れに高価な香油使っちゃったりして、手触りだけでなく、匂いも最高。  今日はキュンキュンなローズの香りさせてます。  もう!! 襲っちゃうぞ!!!  そんなモフモフぶりがやばいゲルマたん、この世界に一大ムーブメント、起こしてます。  ツヤツヤ、モフモフが凄すぎて、大人気のゲルマたんに追い付け追い越せとばかりに、今現在異世界はモフモフブームがやってきたんです!!  ヒャッホー!!!  というわけで俺、ヒョウ族の后妃さましながら、この異世界のモフモフの発展のために頑張ってます。  まあ、なんといってもうちのゲルマが一番ですけどねー。  マジ幸福サイコーです!!!

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