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第3話 初めての体験と罪の感情

その日は、僕は、大忙しだった。 新しくやってきた子供たちを寮に迎い入れるためだった。 寮長の僕は、子供たちの部屋割りやら、寮の規則の説明やらに追われて大変だった。なにより、不馴れな子供たちの世話に、僕は、大わらわで、仕事が片付いて部屋に 戻ってくることができたのは、夜も更けた頃のことだった。 僕は、疲れきって自室へと帰ってきた。僕は、子供たちと同じ、寮の一室に住んでいる。子供たちが二人で使っている部屋を、僕は、一人で使っているというだけで、特に、優遇されているわけでもなかったが、僕にとっては、そこは、ささやかだったが、自分一人っきりになれる、大切な家だった。 だが、その日、部屋に戻ると、部屋の扉が開いていて、誰かが、僕の部屋にいた。 僕は、声もかけずに、扉を開いて中へと入った。そこには、あの、昼間の少年のうちの一人である滝本 天音がいた。 なんで、僕の部屋に。 そう、問いかけようとした僕は、絶句した。 彼は、僕がデスクの上に置きぱなしにしていた書きかけの僕の小説の原稿を読みふけっていた。 しまった。 僕は、舌打ちした。 何て、迂闊な。 僕は、慌てて彼に駆けよっていくと、彼の手から原稿を奪い取った。 だが、時すでに、遅し。 滝本 天音は、僕を驚いたようにじっと見つめていたが、言った。 「あんたが、立花 紅葉だったのか」 「これは、違うんだ。というか、なんで、僕の部屋に、勝手に、入って僕のものを見てるんだ、君は」 僕は、そそくさと原稿を隠しながら、滝本 天音に向き合った。彼は、しばらく、何かを考え込んでいる様子だったが、やがて、顔を上げると、僕に、言った。 「先生は、なぜ、異世界であったこと、しかも、神と俺たち、剣の王が交わした約束まで、知っている?」 「ええっ?」 神と二人の剣の王が交わした約束。 それは、女神セナによる二人の王の異界への転生のことだろうか。 僕は、ちょうど、今、二人の剣の王がセナの命によって、ある目的のために、異世界へと転生しようとしているところを執筆していた。 「読んじゃったなら、仕方ないけど、人の部屋に勝手に入って、そんなことをしちゃいけないよ。天音くん」 僕は、動揺を隠して、そっと彼のことを諭そうとした。が、彼は、言った。 「先生が、知ってるなら、話は、早い」 「えっ?」 僕は、迫ってくる天音のことを見上げながら、後ろずさっていた。彼は、僕を壁まで追い詰めると、僕の顔を覗き込んで言った。 「セナが言った通りだった。花嫁となる者に出会ったら、すぐ、わかる。そう、奴は、言った」 「花嫁?」 僕は、天音に迫られて、顔を背けた。 「なんのことだ?」 「とぼけるな。神との約束の花嫁のことだ。それを手に入れたものが、異世界グロウザーを統べる真の王となる」 天音は、僕の顎に手をかけて、僕を自分の方へと向かせた。 「今日、先生を見たとき、全てを思い出した。俺が、誰であるか。何を、するために、ここに来たのかを」 「何、言って」 僕は、彼の手を払おうとしたが、彼に手を捕まれて壁に押し付けられてしまった。 「やめなさい!滝本 天音」 「ああ、先生は、知ってるのか?自分が、こんなにも、甘い香りを 発していることを」 そう言って、天音は、僕の耳元に顔を近づけて鼻をくんくんならして、匂いを嗅いだ。 「まるで、咲き誇った花のような、甘く、熟れた匂いだ。食べてしまいたくなる」 「いい加減にしないか。僕も、怒るぞ!」 僕に、きつく睨まれて、彼は、怪訝な顔をした。 「先生は、自分のことを、知らないのか?」 「知らないも何も、あれは、作り話にすぎない。いい加減にしなさい。天音くん」 天音は、しばらく、何かを考えていたが、僕に、にっこりと笑って言った。 「先生が、いけない小説を書いてること、秘密にして欲しい?」 「それは」 僕は、黙って、頷いた。 天音は、首元にぶら下げていた革ひもをくって、先についている小袋を取り出すと、その中から、小さな白い玉を手のひらの上に出して見せた。 「これ、何だと思う?」 「えっ?」 僕は、その玉をじっと見つめて言った。 「石?真珠かなんかかな」 「きれいだろ?これは、俺がこの世界に転生したときに手に握りしめていたものなんだ」 「そうなんだ」 僕は、天音が指に摘まんでいるその小さな玉を見ていたが、顔を上げたとき、不意に、天音と目があって、たじろいだ。天音は、そんな僕ににっこりと笑いかけると言った。 「これはセナっていう、性悪な女神がくれた花嫁の石、だよ。つまり」 天音は、僕の頭の横に手をついて、自分の体を僕に押し付けて、耳元で囁いた。 「先生のための石、だ」 「んぅっ・・」 僕は、耳元に息を吹き掛けられて、思わず、声を出してしまった。ぞくぞくと体が震え、足が、がくがくと揺れた。天音は、僕の足の間に自分の足を差し込んで僕を押さえ込むと、僕の唇にキスしてきた。彼は、少し、開いていた僕の口の中へと舌を入れてきて、僕の中を掻き回し、舌を絡めてきた。僕は、その激しさに、頭がぼうっとしてくる。 「ふっ・・う・・」 これは、僕の、初めてのキスだった。 僕は、突然のことに、抗うこともできずに、ただ、天音にされるがままになっていた。彼に貪られて、僕は、頭が真っ白になって、足がくず折れていった。天音は、呼吸を乱して、頬を上気させている僕を、満足げに見下ろして言った。 「すぐに、俺を受け入れられるようにしてやるよ、真弓先生」 「な、に、言って」 震えながら、必死で、彼にしがみついてなんとか立っている僕を、天音は、軽々と抱き上げて、僕のベットへと運び、そこに、僕をそっと横たえた。そして、僕の上に覆い被さると、彼は、僕の頬に唇を寄せて言った。 「先生は、初めてなのか?こういうこと」 「あっ・・やめ・・」 僕は、天音の体を押し退けようともがいた。だが、15才とは思えない、完成された彼の肉体は、力強く僕の体を捕らえて、僕を逃さなかった。天音は、なれた手つきで僕のベルトを外し、ズボンと一緒に下着を膝まで下ろすと、僕をうつ向かせて、腰を高く上げさせた。僕は、シーツに頬を押し付け、呻いた。 「やめて、くれ・・天音、くん」 天音は、僕の尻のあわいに手をやると、そこを両手で押し開き、僕の後孔を露にした。僕は、羞恥のあまり、全身を朱に染めて、ただ、弱々しく、懇願した。 「天音、くん、お願い・・も、やめて・・頼むから」 「この石を」 天音は、僕に見えるようにさっきの白い玉をつまんで差し出すと言った。 「これから、先生の中に入れる」 「な!」 僕は、言った。 「そんなこと、だめ、だ。天音」 天音は、まず、指を僕のそこに差し込んだ。その痛みに、僕は、顔を歪めた。 「やっ!・・だめ、だ・・も、やめ」 天音は、僕の中を指で探りながら言った。 「すぐに、よくしてやるよ、先生」 「んぁっ!」 天音は、指を出し入れし、僕のそこは、くちゅくちゅと湿った音を立てた。痛みが、だんだん、快感にすり変わっていくのに、僕は、怯えて、涙が溢れた。 「も・・やめ、て・・お願い・・」 「まだ、これから、だろ、先生」 天音は、僕のそこにその真珠ほどの大きさの石を押し当てると言った。 「入れるぞ」 「ま、って、だめっ!」 天音は、躊躇することもなく、それを僕の中へと押し込んだ。指で奥へと押し入れながら、彼は、呟いた。 「ああ?指じゃ、あんま、奥まで入らないな」 そう言うと、彼は、昂った自分自身を取り出すと、僕の後孔へとあてがって言った。 「ちょっと、我慢しろよ、先生」 「う、あっ!」 天音の太くて、大きなものが僕の中へと入ってくる。僕は、前に逃れようとしたが、天音は、僕の腰を掴んで、すぐに、僕の体を引き戻し、ゆっくりと、僕の中へと侵入してきた。メリメリと音がして、僕の仲が拡がっていく。僕は、両手でシーツを握りしめて、声を殺して、泣きながらそれに堪えていた。 「ん・・そんな、無理・・」 「もう少しで、全部、入るぞ」 ぐりっと体の奥を突かれて、僕は、たまらず、声を上げた。 「あぁっ!はぁっ・・んっ・・だ、めぇっ!」 「ほら、全部入ったぞ、真弓先生」 少しの間、天音は、僕の中で止まっていた。彼は、僕のことを背後から抱いて囁いた。 「先生の中、きゅうきゅう、絞まって、すげぇ、いい」 彼は、僕の耳元で言った。 「も、我慢できない。動くぞ」 「ん、やぁっ!だめっ・・動いちゃ、やっ!」 天音は、僕の最奥を容赦なく突いてきた。体がありえないところまで開かれていく感覚に、僕は、哭き悶えた。 「んぁっ・・だ、めっ・・も・・」 いつの間にか、立ち上がっていた僕のものが、席走りを漏らしていた。天音が、言った。 「いきたいんだろ、先生。いけよ」 「あっ、あぁっ・・だ・・めぇっ!」 強く、深く突かれて、僕は、時分の腹に向かって精を放って、いった。それと同時に、僕の中で天音が熱いものを吐いたのを感じて、僕は、意識を手放していった。 目覚めたとき、僕は、ベットで一人、眠っていた。 ひどく、気だるい体をなんとか動かして起き上がると、体のあちこちが痛んで、あれが、夢ではなかったのだと、僕は、思い知らされた。僕は、きちんとパジャマを着ているのを確認した。恐らく、天音が、事が終わってから、僕の体を清めて、服を着せてくれたんだろう。 「滝本 ・・天音・・」 僕は、呟いて、熱い吐息をついた。 まさか、こんな風に、初めてを年下に、しかも、教え子に奪われるなんて、思いもしていなかった。 僕は、戸惑いを覚えていた。 天音には、五月 奏というパートナーがいるというのに、僕とこんな関係になるなんて。 こんなこと、許されることではなかった。 僕は、思った。 明日、五月 奏に全てを話して、許しを請おうと。

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