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おまけ・2015ハロウィン (完)

本日はハロウィンだということで、この学校では生徒会の役員に「トリックオアトリート」と声をかけると、飴玉やチョコレートなど、ちょっとしたお菓子を貰えるイベントを開催している。 男子校で男が男にお菓子をねだるイベントなど何が楽しいのかと言われそうだが、貰えるお菓子が意外にも高級お菓子なので、みんなこぞって声をかけに行っている。 …オレも一応そんな1人だ。 「あ、副会長だ」 「あ、ほんとだ」 「あ、輝。健」 「「副会長、トリックオアトリート」」 「はいはい」 廊下でたまたま副会長に出会い、お菓子を受け取る。 副会長が持っていたのはチョコレートらしい。中身は見えないが、包み紙からしてすごい高級そうな感じ。 「ありがとー」とお礼を言ってから、 1人の役員から1コずつと決まっているので、副会長が持っている名簿から自分の名前を探して貰った証にチェックを入れる。 すると「あ、会長じゃん!」という輝の声が聞こえて顔を上げると、いつの間にか副会長の隣に会長の姿が。 「会長、トリックオアトリート!」 「あぁ」 輝が先にそう言って、会長からお菓子を受け取る。 会長からのお菓子は飴のようだ。 飴といっても細工がされているようで、輝の手にあるものは食べるのがもったいなさそうなくらい綺麗な鳥の形をしていた。 「………」 「…会長、トリックオアトリート」 会長が輝にお菓子を渡した後真顔でこちらを見ていたので、オレもイベントの声掛けをして右手を差しだす。 会長は「……あぁ」と返事をしてお菓子を取って右手を出したが… 「……」 「……」 「……」 「……」 「……」 「………………」 手を突き出したまま一向にお菓子を渡さない会長。 しびれを切らして「……会長」と言うと、「…っ、あぁ」と言ってやっとお菓子をくれた。 輝にはスッと渡してたくせに何故にオレのお菓子は躊躇うんだ。 そう思ってジト目で会長を見つめると、会長は真顔のままいつの間にか真っ赤になっていた。何故に。 …しかしそんな2人を生暖かい目で見守っていた副会長と輝は、会長の顔が赤い理由も、会長の真顔のうちに秘めた葛藤もちゃんと理解していた。 ((…会長、健に悪戯されたかったんだね…)) 終 会長 。o(この飴を渡さなければ健がイタズラしてくれるかもこの飴を渡さなければ健がイタズラしてくれるかもこの飴を渡さなければ健が…)

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