1 / 132

プロローグ

僕の人生の最後は... 《...ただいま電話に出ることが出来ません...ピーという発信音の後に...》 耳に残る一向に繋がらない 留守番電話の音... 《壱哉さーん♡》 瞳に映るのは、知らない女と一緒にいる 愛する人の姿... 《.........》 雨と共に、音もなく、瞳から頬を伝う雫は、 なぜだか悲しみの味がした... 「嘘だ...。こ...こんなのうそ...」 真実を確かめたくて、直接あなたから聞きたくて、道路の向こうのあなたを追いかけた... 「...いちやさん!」 【ガッシャーン】 名前を呼びながら走り出した瞬間... 僕の世界は反転した。 無我夢中だったからかな... 物凄いスピードで、車が近づいてくるのにも 気づかないなんて... 《これが僕の人生の最後だった。》

ともだちにシェアしよう!