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20話

翔とゲーセンで思う存分遊んだ後、 僕は家に帰ってきた。 【ガチャ】 「母さん。ただいまー。」 「おかえりなさい!羽瑠。」 僕はすぐに父さんのとこに向かった。 「父さんも。ただいま。」 僕は仏壇の前で手を合わせた。 父さんは、僕が小さい時に癌で 死んじゃったらしい。 僕の中で父さんの記憶はうっすらで。 でも、大好きだったことは覚えてる... よく父さんの仕事場についていってたって 母さんから聞かされた。 「学校はどうだった?」 父さんに挨拶をしたあと、母さんから唐突に 質問が来た。 「うーん。まぁまぁかな?」 今日の出来事を全部話してしまったら、 母さんに心配かけちゃうから僕は嘘をついた。 「そう...。何かあったらお母さんに 言いなさいね。」 「分かってるよ!」 「さっ、そろそろご飯にしましょう。」 母さんと晩御飯を食べ、 僕は自分の部屋に向かった... 「さっ...やるか!」 僕は引き出しの中から年季の入ったノートを 取りだした。 これは、僕の日記。 未来でも書き続けてたけど、過去のノートは 中3のままで... ここには、色んなことが書いてあって、 その日にあった、楽しかったこと。嬉しかったこと。悲しかったこと。辛かったこと。... 壱哉さんのこと...。 過去に戻った日、僕は密かに集めていた壱哉さんの写真も出せなかった手紙も全部捨てた... だけど、この日記だけはどうしても 捨てられなくて... 今もここにある。 辛い記憶かもしれないけど、 あの頃の僕を忘れることはできないから... 受け止めようって思ったんだ... そして、僕はこの日記に、未来で起こったこと や未来と今で違うことを書くことにした... 今日の出来事を書き終わったあと、 僕は明日の出来事を予習した。 明日は僕にとっての本当の《はじまり》だから。

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