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「ッ、……スレイヴ殿……っ」 「っ、ひ、ィ、見、るなッ、見るな、やめ、ッ!ぇ……ぉ、ぐッ、ぅ゛ぅう……ッ!!」  跨がるような体勢のまま下から突き上げられ、顔を隠したいのに両腕を掴まれてるせいでそれすらも許されない。  萎えるどころか既に限界まで勃起した性器に犯される。腰を揺さぶるように掴まれれば快楽から逃れることも出来ない。見るな、見ないでくれ。そう言いたいのに言葉すらも遮られる。  それどころか、片手で両腕を掴み、俺の腰に手を回したメイジはそのまま俺の膝を掴み大きく開脚させるのだ。 「な、ぁ……ッ!」 「っ、おい騎士サマ、よぉく見とけよ?好きでもない男にケツにブチ込まれて娼婦みたいに腰振って喜ぶようなやつなんだよ、スレイヴちゃんは」 「ちっ、がッ!ひ、ぅ……ッ!」 「アンタがこいつを逃げ出す手引きをするからこんなことになったんだ、可哀想にな。昨夜も勇者サマに一晩中犯されてこんなに真っ赤に腫れてな……」 「っ、ゆ、うしゃ殿……」 「ぁ、き、くなぁ……っ!ナイト、っ、聞くな、こいつの……ッ、んぅううッ!」  腰を抜かれそうになったと思えば腿を掴まれ一気に突き上げられる。内臓を潰され、脳天まで意識が飛びそうになるほどの快感に堪らず呻いた。ビリビリと仰け反った瞬間、ピストンに合わせて揺れていた性器からどぷりと精液混じりの体液が溢れ出し、竿を伝って根本まで流れるのだ。  脳味噌全体に電流を流されたみたいに何も考えられなかった。全身の筋肉が弛緩し、ぴくぴくと痙攣する。そしてややあって再び腹の奥に吐き出される精液、その射精の熱と勢いに堪らず背筋が震えた。 「は……ぁ……ッんんぅ、……ふ……ッ」  上体を抱きかかえるようにして引き抜かれる性器。そしてそのまま二人に見せつけるように俺の足を開脚させたまま肛門を左右に押し広げるメイジに血の気が引いた。 「っ、や、め……ろ……っメイジ……っ」 「はっ……こんなに広がったか、ほら見ろよ。ここまでくればもう性器だ性器」 「男に突っ込んでもらうための穴だな」後孔から精液が溢れ、ベッドのシーツまでも汚す。あまりの恥辱に全身の血が熱くなる。項に吹きかかる吐息、絡みつくようなシーフの目、青褪めたナイトの顔。俺は、なにをしているのか。自分がどんな顔しているのか、どんな格好をしているのか。既にわからなくなっていた。脳が理解するのを拒否していた。 「……メイジっ、も、頼むから……止めてくれ……ッ、こんな……ッ!っ、ぁ……ッ!」 「……人を鬼みたいな言い方するなよ、全部お前が招いた結果だろ」 「なあ、ナイト」そう、溢れ出す精液を指で絡め取ったメイジはそれを俺の眼前で広げるのだ。鼻をつくような不快な雄の匂い、どろりとした液体が糸を引いて伸びるのを見て喉仏が上下する。 「お前も混ざれよ」 「……ッ貴殿は、正気か。こんなことをして……ッ」 「話聞いてただろ?……これはうちのパーティーの意向だって――なあ?勇者」 「……ッ!」  扉が開いたことにも気付けなかった。部屋の扉の前、メイジの視線の先にはいつの間にかあいつがいた。  ――勇者。  その顔に表情はない。  咄嗟に足を閉じようとするが体が動かない。  ――嘘だと言ってくれ。こんな茶番、全部嘘だと。  そう懇願するがあいつには一寸も届かない。 「……ああ、そうだな」 「っ、ゆ、うしゃ……」 「ナイト、こいつを抱けよ。俺が許可する」  そして、ベッドの側までやってきた勇者は俺の下腹部に手を伸ばし、既に口を開いたそこに指を捩じ込んでは中に溜まった精液を掻き出した。  目の前が真っ暗になった。鼓動が焼けるように熱くなり、腰が跳ねる。冗談じゃない。そう思うのに、体が動かない。メイジの妙な術のせいだとすぐに理解した。開きっぱなしの口からは浅い呼吸と唾液しか溢れない。  異様な空気だった。異を唱えるのはナイトしかいない。 「勇者殿……ッ、貴殿は、自分が何を言ってるのか分かってるのか!」 「ああ、そうだな」 「貴殿とスレイヴ殿は大切な仲間ではないのか」 「ああ、そうだ」 「ならば……――」 「それを先に裏切ったのはこいつだ」 「……ッ」  顎を掴まれ、勇者に顔を覗き込まれる。ぐちゃぐちゃに混ざり合った精液を掻き出され、荒い動作にも関わらず内壁を引っ掻かれる度に腰が揺れ、開いた口からは浅ましい声が漏れるのだ。 「っ、ぁ……や……ッ」 「スレイヴ、お前は言ったよな?……このパーティーに残るためならなんだってするって」 「っ、ゆ、うしゃ……ッ」 「……だったらナイトに奉仕してやれよ、今までしてきたみたいに喉を使ってな」 「お…………まえ……ッ」 「出来ないのか?――こいつが特別だからか?」  それはゾッとするような冷たい目だった。見たことのない勇者の顔に俺は背筋が冷たくなっていくのを感じた。 「悪いことは言わねえよ、勇者サマの言うこと聞いとけ?」 「そうそう、しゃぶるくらい獣でもできる」  シーフとメイジが囃し立てる。二人のどうでもいい野次すら頭に入ってこなかった。やめろとナイトは口を動かした。しなくていい、そんなこと。望んでいないと目で訴えかけてくるのだ。  けれど。 「…………できないのか?スレイヴ」 「……ッ、……」 「この男がどうなってもいいのか」  それは俺にだけ聞こえる声量で耳打ちされた。ぎょっと顔をあげれば、至近距離でやつと目が合う。 「やれば、いいんだろ……ッ」  皮肉のつもりか、メイジの妙な魔法も解かれていた。あれほど糸が切れたように脱力していた体も動いた。舌も回る。自分の意思でやれということか。  ――本当に、反吐が出る。 「っ、スレイヴ殿、やめろ」 「……アンタは悪くない、全部……俺のせいだ」  だから、とベッドを降りた俺は縺れそうになりながらも椅子に括り付けられたナイトの前までやってきた。  俺だけが辱めを受けるだけならまだいい、けど、この男に何かあればと思うと酷く恐ろしくなった。それは勇者が有言実行する男だとずっと側で見てきていたからこそ、余計。  スレイヴ殿、と名前を呼ぶ声が僅かに震えていることに気付いた瞬間息が苦しくなる。  俺は、酷いことをしている。  今まで助けてくれたナイトに……。 「っ、……悪い……目、瞑っててくれ」  そうすれば視覚的なショックは和らぐはずだ。そう慰めにもならないことを言うことで精一杯だった。  三人の舐めるような視線を必死に気にしないようにしながらナイトの股ぐらに潜り込む。膝立ちになり、そっと膝を掴んで脚を開かせれば既に膨らみかけていたそこを見て堪らず息を飲む。  体格からしていい方だと分かっていたが、その膨らみは見てわかるほど大きなものだった。 「……っ、あぁ……」  耐え兼ねるように息を吐くナイト、その顔は既に赤く、苦しそうに歪んでいる。悪い、そう何度も口の中で繰り返しながら俺はナイトの前を寛げる。そして下着から取り出そうとした瞬間、勢いよく飛び出した性器が顔に当たり思わずぎょっとした。 「……っ、……!」  質量、熱、硬さ、匂い。他のやつらとも違う、子供の腕くらいはあるのではないかと思うほどの男性器に思わず俺は目が反らせなかった。  エラ張った亀頭すら口に入るか不安だった。それどころか太い血管に覆われた反り返ったそれを挿入されたらと思うと背筋がぞくりと震える。  ……何を考えているのだ、余計なことを考えるな。そう自分を叱咤したとき、性器越しにナイトと目が合った。 「っ、スレイヴ殿……ッ無理をするな」 「だ、いじょうぶだ……これくらい……」  そう、自分に言い聞かせることでしか己を保てなかった。

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