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GAME1
「カナさん!? え? 大丈夫!? ねえ!」
午前十時。リビングにふらりと現れたカナさんに「おはよう」と言った瞬間に、カナさんは電池が切れたみたいにパタンと倒れてしまった。
それはもう見事なほどに一瞬で、くにゃりと芯を失った身体がフローリングの床に叩きつけられるまで、わずか数秒。手を伸ばす暇さえなかった。
うつ伏せに倒れたカナさんの身体を反転させると、血の気を失った蒼白い顔が現れ、死んでいるのかとこちらの心臓まで止まりそうになる。口もとに手をかざすと、かすかに息が当たり、死んではいないことにホッとしたのも束の間。
カナさんはどんなに呼んでも目を開けてはくれなかった――。
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