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第二章 偏見。そして、事件。

 密かに隠しておいたはずの、大翔の家庭教師だったが、どこからか漏れたようだ。  大学で、友人たちが楓を避け始めた。  学食での出来事だ。  楽しそうにお喋りをしていたはずの友人たちが、楓が席に近づいた途端、立ち去り始めたのだ。 「ちょ、何で避けるの?」 「いや? 別に避けてるわけじゃないよ?」 「たまたま、もう行こうか、って言ってただけ!」  逃げるように、楓から離れてゆく友人たち。  コソコソと、ヤクザの先生、という言葉が聞こえて来た。 「そんな」  意識すると、周囲の全てが自分をそんな目で見ているような気がしてきた。  差別と言う鎖で、縛られている気がしてきた。 「そんな……」  楓は、どんどん孤独になって行った。

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