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第二章・3

「じゃあ、大翔くん。テキストの8ページ目は、宿題だからね」 「はーい。解ってるよ、もう」 「じゃあ、お休み」 「おやすみ、センセ」  そして大翔の勉強部屋を出ると、羞恥プレイが待っている。 「先生、お車でお送りします」 「あ、ありがとうございます。難波さん」  いつもドア一枚隔てた外で、大翔を守っている征生が、楓に話しかけてくるのだ。 (ああ、もう。絶対バレてるよね。僕と大翔くんの関係)  必死で声を殺している楓だが、大翔が派手に呻く。  大翔が楓の尻頬に叩きつける音も、聞こえているかもしれない。  だが、征生は素知らぬ顔をして、いつものように慇懃にふるまう。  楓と大翔のことなど知りませんよ、と言った風に話しかけて来る。 (ホントは知ってるくせに! 聞いてるくせに! 解ってるくせに!)  ああ、恥ずかしい!  心の中で見悶えながら、楓は車に乗り込んだ。

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