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第六章・4
何も知らない楓は、コンビニでワインやチーズを買って表へ出て来た。
「また安物を、って征生さんに叱られるかな」
今夜は二人でちょっぴりお酒を飲んで。
それから……。
気の緩んだところへ、一人の男が声をかけて来た。
「すみません。ちょっと道を尋ねたいんですけど」
「え? いいですよ」
「地図、書いて貰ったんですけど。俺、方向音痴でわかんなくなっちゃって」
地図は車に乗せてある、と楓は男にいざなわれコンビニの隅へ動いた。
照明の光が届かず、薄暗くなったところで、男はどんと楓の体を押した。
「あ!」
途端に暗闇から何本も腕が伸びてきて、その口を塞ぎ、体を力づくで地面に伏せさせた。
「ん! ぅぐッ!」
「よぉ、兄ちゃん。久しぶり」
(この人たちは、あの時の!)
「あん時の、御礼をさせてもらうぜぇ? たっぷりとな」
「よし、ひん剥いちまえ!」
「うぐぅーッ!」
(助けて。助けて、征生さん!)
なすすべもなく、楓の衣服は乱されていった。
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