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男子高校生は店長とデートしたい(3/4)
「親御さんに晩ご飯の連絡した?」
「はい、問題なく!」
「偉い偉い、作ったのに食べてもらえないのは寂しいからね」
どうぞ、と招き入れられた店長の部屋にドキドキしながらお邪魔する、すぅっと息を吸うと店長の匂いがする! なんて素敵空間!
「家にあるものだと……オムライスとかしか出来ないけどいい?」
「オムライス大好きッスよ!」
玄関に座ってスニーカーを脱ぎながら答えると、上から頭を両手でくしゃくしゃとされた。
「可愛い……」
ボソッと呟いた店長を下から見上げると、おでこにチュッとキスされた! プライベート空間に入った途端めっちゃ積極的だ! 顔が熱くなる!
「まだ五時だけどお腹に入る?」
「今日はおやつ食べてないんで余裕でっす!」
「ははは、いつもおやつ食べてるんだ?」
雑談をしながら手際よく準備していく店長を、ニヤニヤしながら眺めてしまう。今日は俺のためだけにご飯作ってくれるんだ! 俺は店長の作る料理が大好きだ、賄いもいつも楽しみで仕方ない、プライベートで作ってもらえるなんて幸せだ!
「何か手伝いましょうか!」
「大丈夫、座ってていいよ?」
「じゃあ、ここで見てても……?」
そう言うと店長は柔らかく笑って、頷いてくれる。キッチンの動線から外れたところで店長を眺めていると、すごくワクワクする気持ちと一緒に、今日の失態の数々を思い出して罪悪感に襲われた。
「今日、本当スンマセン……俺独りよがりでした」
「まだ気にしてるの? 僕は楽しかったって言ってるのに」
店長が玉ねぎを炒めていたフライパンの火を止めて、俺の方に歩み寄ってきた、邪魔してしまっただろうか……。
「仕方ない、じゃあシャワー浴びてくるから……ソファーで待ってなさい」
「えっ、えっ!?」
「今日はまだ終わりじゃないだろう、ご飯の前にしようか」
そういって腰を抱き寄せられて、唇にちゅっとキスが! お、お、お誘いだ——っ!!
「そこの棚にDVDがあるから見てていいよ」
「は、はいっ!」
正直期待しすぎてDVDどころではない、……が! このままガッついたらまた前回の二の舞だ、俺は我慢できる男、俺は我慢できる男なんだ!
ソファーから立ち上がってテレビの横の棚を開けると、結構な数の洋画のDVDがズラっと並んでいた。そうか……店長映画が好きなんだ、今日のデートは映画にすればよかった。
いやいや落ち込むんじゃない、次に活かそう! 次のデートは映画にしよう! ちゃんと店長が観たいのをリサーチして、二人で楽しめるように計画しないと!
全体を確認して店長が好きな傾向を把握しようと試みたら、下段の方に……これは! ア、アダルトビデオ!!
ごくりと唾を飲んでタイトルを確認する、ゲイ物の方が多いけど、女性のAVもある! 店長女性もいけるんだ……そう考えると、やっぱり店長は抱く側の方が好きなんじゃないかと不安になる……俺でいいんだろうか、俺が店長を抱いていいんだろうか、あまりプラスじゃない思考がぐるぐる巡る。
「そっちはまだダメ」
「どわぁーっ!」
「誕生日がきたら見せてあげるよ」
「ち、違っ! 見ようとしていたわけじゃ……」
パタンとアダルトコーナーの棚を閉められ、店長がクスクスと笑っている。まだ少し濡れた髪とシャンプーか、ボディソープか……すごくいい香りが! 普段じゃ見られない薄いTシャツに柔らかいゆったりとしたズボンの部屋着! 色っぽい、今すぐ押し倒したい!
「はじめ君もシャワーする?」
「は……はい! お借りします!」
危ない危ない、うっかりそのままソファーにダイブするところだった。店長が綺麗にしてきてくれたのに、俺がそのままなんて失礼すぎるだろ。しかしはやる気持ちは抑えられるものじゃない、カラスの行水よろしく(されど下半身は入念に)俺はシャワーを飛び出した。
「お借りシャッしたーっ!」
「早っ! そんなに待ちきれなかった?」
「はいっ! いや……はい」
ちょっと恥ずかしくなって頭をポリポリかく、店長はオムライスの下準備を進めていたようだ。キッチンへ店長を迎えにいくように後ろから抱きしめると、俺に体重を預けるように胸に重さがかかる、胸がキュとなる……それでもさっき頭を掠めた考えが消えてくれない。
「店長……もしかして抱く方が好きですか?」
「えっ、なんで」
店長が驚いたように体をひねる、少し腕を緩めると向かい合って抱き合うようにお互い手を伸ばした。
「……はじめ君は僕に抱かれたいの?」
「俺は店長を抱きたいです!」
「よかった、準備してきた意味がなくなるかと思ったよ」
「準備?」
なんの準備?
俺の手が店長の誘導でお尻にあてがわれる。
「確かめてごらん?」
少し背伸びした店長が耳元で囁いた。
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