2 / 6
寝れない時は....(イルザイ)
「陛下、寝れませんか?」
夜遅くなのに、ザイラスのいる部屋の明かりが付いている。陛下と呼んだイルバーンはザイラスのいる部屋に入った。
「まぁ〜な。今日は寝れないな.....」
寝れないというリースピア王国国王のザイラスはベットでボーっとしていた。
「私がお話でも致しましょうか?」
イルバーンはザイラスのいるベットに座る。
「悪いが頼む」
イルバーンはにっこり笑って
「では私達の出会いのお話をしましょう。」
━━━━━━━━━━━━━━━
あれはザイラスとイルバーンが幼少期の頃.....
「イルバーン、国王陛下の為に立派な執事になるんだぞ」
イルバーンの家は国王陛下直属の執事一家だ。
イルバーンは幼い頃から父親にこの言葉を言われてきた。
「はい、お父様。」
イルバーンは見た事もない国王陛下の為に勉学、執事業務などを学んできた。
「お父様、国王陛下はどんな御方なのですか?」
イルバーンは気になって父親に聞いた。
「国王陛下はこのリースピア王国の為に働いている立派な御方だ。」
「立派な御方.....」
「もうすぐお前も15だ。国王陛下に合わせてやろう」
「本当ですか!?」
「ああ。国王陛下にも、ひとつ上のご子息様がいるから逢えるだろう。」
イルバーンは嬉しかった。国王陛下に逢える喜びとご子息様が気になった。
━━━━━━━━━━━━━━━
「あの頃の私は、喜びと緊張がありました。」
「俺もだ。イルバーンという名前は知っていたがな。」
ふふっっと笑い
「続きを話してくれ」
「仰せのままに...」
━━━━━━━━━━━━━━━
それから、数ヶ月後.......
「イルバーン、国王陛下に申していた謁見が許可された。今から行くぞ。」
「今からですか???」
イルバーンは緊張が身体中を駆け巡った。
でも、楽しみでもあった。国王陛下に逢える!ご子息様に逢える!という喜びも身体中を駆け巡った。
「失礼のないようにな」
「はい、お父様っ。」
それから、数時間後.....
「国王陛下、国王陛下直属執事のエルストでございます。」
「エルストか、入ってよいぞ」
「失礼致します。」
父親は大きな扉を開けて中に入り、イルバーンも続いて入った。お辞儀をした。
「おお、大きくなったな。イルバーン。」
「ありがとうございます。」
お辞儀のままで答え
「エルスト、イルバーン、顔をあげてくれ」
「失礼致します。」
エルストとイルバーンは顔を上げた。
「イルバーン、立派になったな。」
「ありがとうございます!」
国王陛下の後ろに隠れている子供を見つけ
「ああ〜。こやつか?」
「国王陛下のご子息様ですか?」
「ああ〜。名をザイラスという」
「ザイラス様....」
ザイラスはゆっくり前に出て
「はじめまして、ザイラスと言いいます。」
「ザイラス様、大きくなりましたね。」
とエルストは言い、ザイラスは恥ずかしそうだが嬉しそうな笑顔を見せた。
━━━━━━━━━━━━━━━
「コレが私達の出会いでしたね。私はとても可愛らしいっと想いましたよ。」
「Zzzzz」
「おやすみになられてますね。」
イルバーンはザイラスのおでこに軽くキスをし、部屋を出た。
ともだちにシェアしよう!