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第57話 再びのアイマスク*

   * * *  貴臣がアイマスクをきちんと付けたのを確認した俺は、念の為、貴臣の目の前で手を振ってみたり変顔をしたりしてみる。  よし、ちゃんと見えてないみたいだ。  壁の電気スイッチを押して、部屋を真っ暗にした。   「アイマスク、必要ですか?」 「必要だよ! 目が慣れてきたら見えちゃうかもしれないだろ」 「すでに何回も兄さんのをこの目でバッチリ見てきましたけど」  貴臣は納得がいかないように首を傾げた。  だって俺、自信ない。  されてる最中にお前と目が合ったりでもしたら、きっと言っちゃいけないことを口走る気がする。    カーテンの隙間から零れる月明かりが貴臣の顔をぼんやり照らしている。  目隠しされている貴臣って、なんだか扇情的だ。スッと通った鼻筋と潤いのある唇が余計に強調されて見えるからか、色っぽい。 「兄さん、誘導してくださいよ」 「わ、分かった、ちょっと待って」  俺はゴソゴソと、下着とズボンを膝の方までずり下ろした。  さっきシートで拭った甲斐もなく、俺のペニスの先端から透明な液体がぷくっと滲んでいた。  もう一度入念に綺麗に拭き取る。  苦いのか甘いのか無味なのか分からないけど、指摘されたくないから。  貴臣はベッドを下りて床に膝をつき、座る俺の両足を割って体を押し込んだ。 「まだですか?」 「分かったよっ。手、貸して」  こっちに伸びてきた貴臣の手を取って自分のものに誘導する。  指先をこつんと触れさせると、「あぁ、もうこんなに」といつもの不敵な笑みを浮かべた。  そのまま、大きなその手でゆっくりと包み込む。  俺は目を見開いたまま、口をわななかせた。  すごい。  貴臣が、俺のを握ってる。  こんなに卑猥な光景を見下ろして、平気なわけない。  心臓が痛い。ドクンドクンと鼓動する。  本当に、アイマスクを付けさせておいて良かった。そうじゃなかったらきっと、握られた瞬間に達していた。    すぐにフェラが始まるのかと思ったが、貴臣は手を上下に動かした。  また、あの時の快感が突き抜ける。  上下に扱きつつ、先端を人差し指で押しつぶすようにされると俺は本当に弱くて、背中をのけぞらせてしまう。  拳を作って口に当てて声が出ないように我慢したが、荒い呼吸音を隠すのは難しかった。 「はっ……は……」 「そろそろ、咥えてもいいですか」 「へっ⁈ あ……う、ん……どう、ぞ」 「痛かったりしたら、すぐに言ってください」  貴臣は本当に真面目だ。  体がズタボロの兄を不憫に思って、こうして性欲処理を手伝ってくれてるんだから。  ぱくん、という擬音がなったかと思うくらいに、貴臣は大きく口を開けて俺のを咥内に押し込んだ。

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