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二話♭秘密の共有
沈黙が続く中、最初に
言葉を発したのは完甘先生だった。
『僕の秘密?』
僕は恐る恐る答えた。
『僕は人の寿命が視 えるんです』
田城のも南海先生のも
すれ違った人のさえも視 てしまう。
『秘密ってそういうこと(苦笑)
皆には内緒にしといてね(クスッ)
それから、告白の返事は
こんな僕でよければよろしくね』
一ヶ月後に完甘先生は学校にいないだろう。
………え!? 本当に!?
『付き合ってくださるんですか?』
『うん♬.*゚
名前で呼んでくれると嬉しいかな』
なっちゃん?
それとも棗とか?
いやいや、
年上の男性に対してそれないよね……
此処は無難に棗さん?
『クスクス、そんな悩まなくても』
呼び方な悩んでいると
横から笑い声が聞こえてきた。
『そうだな、
僕的には呼び捨てがいいかな(ニッコリ)
ねぇ“夕月”、呼んで?』
あざとい!!
イケメンと呼ばれる類いの
整った顔立ちをしているから
小首を傾げる仕草も様になっているわけで
これが凡人がやるとブーイングが飛ぶ。
『わかりました、“棗”って呼びます』
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽
付き合い始めて早二週間。
別に隠しているわけではないけど
棗と付き合っていることは
誰にも話ていなかった。
恋人になってくれたのは秘密の共有をしているからかと
訊(き)いたらそれは関係ないと棗は笑って否定した。
『夕月~』
学食で田城達とお昼ご飯を食べていたら
後ろから棗に抱きつかれた。
『ぅゎっ、棗、危ないから
いきなり後ろから
抱きつかないでくださいよ』
僕の科白 に
学食で一緒に食べていた四・五人は
ポカーンとした表情 をした。
『夕月を見つけたから』
親を見つけた子供みたいだ(笑)
「何、二人は付き合ってるのか!?」
最初に復活したのは田城だった。
『そうだよ、僕の恋人と
これからも仲よくしてあげてね。
夕月、五限目が終わったら連絡してね』
田城の質問に答えたのは棗だった。
『わかった、一緒に帰ろう』
今日の夕飯は何しようかな?
帰りにスーパーに寄ってから考えればいいか。
『また、後でね』
棗がいなくなると緊張が解けたらしく
田城以外のメンバーが息を吐 いた。
そして、質問責めされた。
何時から好きだったのかとか
告白はどっちからしたのかとか
主に女子の方が聞きたがった。
五限目が始まる時間になり解散した。
因みに毎朝、
同じ電車だということと“アレ”は秘密だ。
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