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♯1 前奏曲〝凌辱〟3

「真雪、もうっ、ダメ、……ああっ」  びく、と桜也のものが揺れた。と同時に、放物線を描くようにして、黄金色の液体が噴き出した。  それは飛び散り、バスルームの壁や床を汚していく。    尿道を通る、体内で温められた熱い液体。ずっと溜めていた分、量も多い。  我慢に我慢を重ねていたからこそ、とてつもない解放感に襲われた。出し尽くした瞬間、体が反射的にぶるりと震え、思わず顔の筋肉を緩めてしまう。 「あ、ああ…」  その恍惚とした顔を、幼馴染おさななじみである真雪に見られてしまっているという背徳感。  そして、それを上回る快感。 「真雪、見ないで…」  なんとか顔をゆがめようとするが、気持ちよさに脱力した顔は戻ってくれない。  排泄は原始的な欲求。  生命維持に必要不可欠な欲求だ。  食欲、性欲、睡眠欲…。原始的な欲求が満たされると、人間は快楽を得るようにできている。  人間の欲求はいろんな種類があるが、たとえ性欲や食欲、睡眠欲をコントロールできたとしても、排泄を耐え続けられる人間なんていない。  煩悩を超越した高位の僧であっても、排泄欲を消滅させることなんてできないだろう。

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