「お、終わったぞ」 　桜也は照れてぶすっとしながら、真雪の前に立つ。雑誌を読みながら待っていた真雪は顔を上げ、息を飲んだ。 　髪型は、毛先を遊ばせたウルフカット。 　黒く光沢のあるレザージャケット。 　レザーのいかつさを和らげるデザインパーカー。 　ぴったりフィットするナチュラルジーンズ。 　指し色となる、赤いスニーカー。 　レザージャケットがかっこよさを、パーカーやジーンズが少年らしさを、派手なスニーカーが個性を演出している。プロが選んだだけあって、ファッション誌の１ページのようだ。 　どれもデザイン性に優れている上に、着心地もよい。 「……」 　 　真雪は微動だにせず、無表情でじっと桜也を見つめている。なんだか落ち着かない。むずむずする。 「…おい、なんか言えよ」