5 / 91
1-4 班まで一緒
「おはよう。昨日の演奏、遠くからしか聴けなかったけど、とってもよかったよ。」
優ちゃんが話しかけてくる。
「ありがとう。美術部の勧誘は、うまくいった?」
「うーん、まぁまぁかなぁ。美術部って絵を展示してるだけだから、なんともいえないんだよ、、」
「優ちゃんの絵ならみんなの目に留まるから大丈夫だよ!」
「そうかなぁ、、」
優ちゃんは、はにかみながら笑っていた。徐々に教室に人が集まってきた。
隣の藤澤君も席に着いた。
「じゃあ、席に戻るね。」
「うん。またあとでね。」
僕は、新しい教科書を眺めながら、藤澤君を気にしていた。しばらくすると坂木先生が入ってきた。
チャイムが鳴りホームルームが始まる。
「おはようございます。早速ですが、席替えと班決めをします。」
教室がざわめく。いきなり席替えと班決めかぁ、
どうなるんだろう、、、、、、
「先生がくじを作ってきました。黒板に番号とアルファベットを書きますので、書いてある番号の座席に座ってください。同じアルファベットが同じ班の人です。くじを回すので、一人一枚ずつ取って後ろの人に回してください。」
先生は、黒板に番号とアルファベットを書き始めた。
教室のざわめきと共に、くじが回ってくる。
「全員、取り終えましたね。それでは、移動してください。」
席替えの結果、教室の一番左後ろになった。みんなの移動が終わる頃、僕は、緊張で手に汗握っていた。隣には、藤澤君。前には、武藤君。その前には、優ちゃん。藤澤君の前には、凜ちゃんがいた。そして、同じ班は、僕と藤澤君と武藤君と凜ちゃんと優ちゃんになった。
「1学期は、これで行きます。みなさん、仲良く過ごしましょうね。」
先生がそう言うとチャイムが鳴り、ホームルームが終わった。
武藤君が横を向いて僕の方を振り返る。僕の机に片ひじをつき、いつものニヤニヤした顔で話しかけてくる。
「よろしくな!」
いろいろと大変な予感がした、、
「お前らもよろしくな!」
武藤君は、優ちゃんと凜ちゃんと藤澤君に話しかける。
「相変わらず、偉そうね、」
凜ちゃんが武藤君に言った。凜ちゃんは、武藤君と知り合いみたいだった。
「よろしくな。凛!」
武藤君はニヤニヤしていた。
「はぁ、最悪だわ、、」
凛ちゃんはがっくりしていた。凜ちゃんと武藤君が、お互いに言い合っていて、その光景を横目で見ながら仲が良さそうだなと思った。
2人は、どんな関係なんだろう、、、
藤澤君はというと、会話に参加せず、だるそうにあくびをしていた。
ともだちにシェアしよう!