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第13話
目覚めたのは自室のベッドの中だった。
夢……?
淫夢というにもあまりにも淫らすぎる……。
あんな恐ろしい夢を見るなんて。
ラファエルは真っ赤になって寝返りをうった。
夢の余韻か、体の奥がじくじくと疼いている気がする。魔族の精を受けたみたいだと思いながら、ふと違和感を感じて下着の中を確認した。
指輪はまだそこに嵌まっていた。
自在に大きさが変わるのか、痛くもゆるくもない状態でそこにある。
あれは夢ではなかったのだ。
これがあったから、この屋敷に戻って来られたのか、それとも今後もまたあそこに行くことがあるということなのか……。
自分のさらした痴態を思い出して、ラファエルは絶望的な気持ちになった。
体中に散った淫魔たちがつけた痕を見つめて、ラファエルは涙をこぼした。
いつかは完全に魔族のものになってしまうのか。いや、これがある限り、すでにアシュタルトのものだという証なのか。
ふっと帰宅の場面が思い出された。
記憶に残る声はアシュタルトのものだ。
「本当にお前は淫らで美しい」
優しい手つきでベッドに下ろし、朦朧として見上げたラファエルに最後にキスを落としてアシュタルトは囁いた。
「今宵は楽しい夜だった」
完
いかがでしたか?
お題に合わせて書くって大変だけど楽しい!
感想頂けたら舞い踊りますので、よろしくお願いいたしますm(__)m
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