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第16話

「峰松くん、いや、翼。今はただ、気持ち悦くなることだけを、考えて。ね」  和哉の指先が、翼の先端に割り入った。 「あぁ、あ! それ、ダメぇッ!」  だめ。  そんなに優しくされると、僕……。 「や、ぃや。い、イッちゃう。僕、もうイッ……、あぁああ!」  翼は、温かな精を和哉の手のひらに吐き出してしまった。 「はぁ、はぁ、あぁ……」 「まだまだこれからだよ?」  和哉は唇をぺろりと舐めて、精にまみれた指先を翼の後ろに回した。  忘れさせてやる。  そして、忘れられない夜にしてやる。  和哉の指と心は、翼の最も敏感な部分に忍んでいった。

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