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第2話 兄さん大好き side秀磨
「おはよう、秀磨。朝ごはん出来てるから、早く食べなさい。」
朝起きると、いつも通りあの男が朝食を作って笑顔で待っていた。
(…気持ち悪い。)
「はい、父さん。」
そう思いつつも、僕は明るく、あくまでも穏やかに返事をした。
(兄さんのためだしね。)
「うん。美味しい。」
いつも通りの文句を並べて朝食を食べる。
「そう?よかった。」
すると、男は喜ぶ。とても嬉しそうに。
「ご馳走さま。」
手早く食べてさっさとその場を立ち去る。
「そうそう、今日は遅くなりそうだし、折角だから、母さんと二人で遊んでおいで。秀磨、確か今日は学校休みだったよな。」
男は優しく微笑んでそう言う。
「じゃあ、お言葉に甘えてそうさせてもらうよ。」
早くこの吐き気のする場所から立ち去りたいのと、早く兄さんに会いたいのとで、僕は兄さんの部屋へと向かった。
コン。コン。
「兄さん、入るよ。」
僕は二回ノックをしてから兄さんの部屋へと入る。
ドンッ。胸に衝撃が走る。衝撃の来たほうへ視線を下ろすと
「秀磨!」
満面の笑みを浮かべた兄さんがいた。
「兄さん、おはよう。」
「ん、おはよう!」
ぎゅうぎゅうと力いっぱい僕に抱き着く姿は、とても愛らしい。あの男の臭いがまとわりついているのは癪だが。
「今日も好きだよ。」
ぎゅっと、兄さんの背に腕を回し抱きしめ返す。
「俺も好き。」
じっと見つめて愛を囁くと、兄さんもそれに返してくれる。
「じゃあ、消毒しよっか。」
「うん!」
ちゅ。唇を合わせてキスをする。
「兄さん…好き。」
「ん。俺も、秀磨のこと、だいすき。」
ちゅ。ちゅ。ちゅく。何度か触れるだけのキスをして、唇を開いていく。開かれた口内に舌を侵入させ、絡めていく。
「ん。んん。んぁ。」
兄さんの吐息に、甘い声が混じる。
「ん。すきぃっ。秀磨ぁ。」
甘い声で僕の名前を呼ぶ兄さんに、情けなく僕のモノが反応する。先程までなかったお互いの芯が立ち始めているのに、兄さんも僕も気づいていた。
「…秀磨のココ、硬くなってる。」
そう言って兄さんが僕の苦しそうに張っているズボンにさわる。
「んっ…兄さんのだって。」
少し反応してしまったのが悔しくて、僕も兄さんのあらわになっているソコを触る。(言い忘れていたが、兄さんは裸に布団一枚で、服を着ていない。)
「ひぁっ。んぁ。しゅ、ま、あま、ながく、さわ、ないでっ、あっ。」
考え事をしている間も触っていたようだ。兄さんの顔が赤くなって、声の艶が増していた。
「大丈夫。今、楽にしてあげるから。」
僕は兄さんを床へと押し倒した。(床にはふかふかのカーペットを敷いてあるので、痛くはないし、風邪もひかないはずだ。)
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