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「・・涼・・・。」 むにゃむにゃしながら 俺の名前を呼ぶ。 しがみつく腕に力がこもり 安心したのか またすっと力が抜けた。 夢の中でも 涼さん登場ですか。 どんだけ俺の事好きなんですかね。 なんでか全然わかんないけどさ。 でも。 新が好きな自分でいたい。 早く元気になって下さい。 そしたら今度は俺が甘える番だからな。 チュッと額にキスをすると 新は小さく 口元に笑みを浮かべる。 なんだか いつもよりずっと子供っぽく見えて 可愛い。 いつでも安心して貰えるように。 ちゃんと愛情を返していかないとなぁ。。 苦手分野。 ですけど。 何も俺たちを縛るものなんてない。 法的にも世間的にも認められない。 でも。俺たちは家族です。 ね。 涼介は ふっと笑い 新の頭を抱えるように 抱きしめると ゆっくりと目を瞑った。 って。 ああっ! ヤベエ。キッチン片付けてない。 慌てて起き上がろうとすると んー。と新は眉間に シワを寄せ いやいやと無意識に首を振る。 あー。 そうですか。 ・・まあ。いいや。 明日。 明日やりましょう。 ん。 結局 熱が下がった新が片付ける事になるとも知らず 涼介は ふわわわと欠伸をし すっと2秒で 眠りについた。

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