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第1話-2
「ききょう、いるか?」
「はい。白耀 さま」
社の柱を拭いていた桔梗が顔を見せると、袴装束の後ろで白銀の尻尾がぴょこりと揺れる。まだどこか舌足らずな甘い声の主は、御稲荷さまのお子だ。
人間の年のように数えればまだ八つ。桔梗よりも四つ年若い白耀は膝でにじるようにして桔梗の傍へ寄った。
いいことを教えてやると言う白耀の口に桔梗が耳を寄せると、囁き声にしては大きな声で秘密ごとを告げる。
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