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第19話 初夜

「あ……ああ。ん、うっ……」 「きつ……う、ああ、ごめん。早く擦りたい……」 「ん、ん……来て、くださ……い。あ、ああ」 朔哉の息が整う前に、秀一郎は腰を打ち付ける。朔哉の下腹部に己をぶつけるような勢いだった。 朔哉は唇を噛み締めた。しかし繰り返される抽送に感じてしまい、声を上げてしまう。 秀一郎は抜き挿ししながら、喘ぐ朔哉を見下ろしている。 見つめ返そうとしたが、できなかった。 痛みで視界が滲んでくる。秀一郎が涙を拭ってくれた。その手を取り、朔哉は指を絡ませた。 「きみは……従順だね……く、う……。犯したら気持ちいいかなって、思ってたけど……予想以上だ……はあ、もっと……ゆっくり教えたかったのに。中に出したくてたまらなくなる。たくさん、出したくなる……」 「はい……あ……中に、僕の中に……秀一郎さまのものを注いでください」 意識が遠くなっていく。 貫かれるときは、力を入れない方が良いと知っていた。いざ抱かれると、力むことなんてできない。 絶え間ない波のように襲ってくる愉楽に、身を任せるしかなかった。 下腹で蠢く秀一郎のものが、さらに硬くなっている。先走りが出てきたのだろう。秀一郎が動くたびに、水音が聴こえる。 「ん、んーーう……」 秀一郎が尻を震わせた。そのときが来ると本能でわかって、朔哉は唾を飲み込んだ。 ふと、亡き父の言葉が浮かんだ。

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