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とある男の話

 ここに連れて来られた最初の日は、嗅いだことのない香を焚いた狭い部屋に入れられた。  その香を嗅いでいるうちに、下腹の辺りが熱くなって、摩羅が勃って治まらなくなった。  それを持て余していると男がやってきて、摩羅をしごかれて精を吐かされた。一度ではとても治まらなくて、二度、三度と吐精させられた。  二日目には別の部屋で裸にされて、やはりあの香を嗅がされた。摩羅が兆してきた頃に、男が二人来て四つん這いにさせられ、一人には摩羅をしごかれ、もう一人には尻にぬめる油を垂らされて肛門に棒を挿された。  わけがわからなかったが、摩羅をしごかれながら棒を出し入れされて、喘ぎながら精を吐いた。そのときも一度では終わらずに、散々尻の穴と摩羅をいたぶられた。  三日目になると、何やら上等の着物を着た白髪混じりの男がやってきて言った。 「お前もうここが何だかわかっているかい」  いいえ、と私は答えた。 「ここはね、お前のような器量のいいやつを買ったり預かったりしてね、雌に仕込むところだよ。何、おとなしくしてりゃあ気持ちいいことをたんと教えてもらえる。何事も素直になるのが良いよ」  男はそう言って出て行った。いくらも経たずに別の男が来て、何もない部屋に連れて行かれた。  そこでまた着物を剥がれ、「縛られるのが嫌なら暴れるんじゃないヨ」と言われて、また四つん這いにさせられて、尻に油を垂らされた。もう香は焚かれなかった。  また棒を挿されるのかと思ったが、今度は指を突っ込まれた。ぬちゃぬちゃと音を立てて尻の穴をいじられているうちに、どういうわけか摩羅が勃ってきた。  摩羅の先が濡れてきた頃に、尻の穴をいじられながら摩羅をしごかれてあっけなく果てた。  ぜえぜえと息をついていると、昨日よりも太くていびつな形の棒を尻に挿れられて、それを前後に動かされておかしな声が出た。声を出すまいとこらえても、延々と尻を責められるので耐えかねてやはり声が出た。  喘いでいるうちにまた摩羅が勃って、そしてやはりそれをしごかれて精を吐いたが、吐精の最中にすら棒で尻を突かれるのでたまらず涙が出た。  その次の日には、床を延べた部屋に連れて行かれた。見覚えのない男がやってきて、おとなしくしているように言われた。 「親切で言うんだよ。折檻されるかもしれないからネェ」  男はそう言って手際よく着物を脱がせ、布団に仰向けに寝かせると、脚を大きく開かせた。思わず閉じようとすると、おとなしくしなヨと言われて、震えながら目を閉じた。 「それが賢いね」  と男は言って、尻にぬめるものを塗って、肛門に指を入れてきた。どういうわけか男の指はするすると奥まで入ってしまい、ちっとも拒めなかった。気が付くと指を何本も尻に入れられて喘いでいた。  男は指を抜くと着物の前を開いて摩羅を出した。男のそれは天をつかんばかりに勃起していた。  男は摩羅を尻の穴に押し当てると、腰を使いながらゆっくりと挿入した。  痛みはなかったが、息が乱れ、目眩がした。 「お前はいい雌になるヨ」  男はそう言って、腰を振って尻を犯し始めた。摩羅の熱さや尻に打ちつけられる男の肌の感触で、男に犯されているのだと身体に刻まれる思いがした。  それなのに摩羅の先からは透明な汁が漏れて、まるで悦んでいるような声も押し殺すことができなかった。  その翌日からは、屋敷の中で働いている男達に毎日犯された。尻に男の摩羅を挿れられて、精を吐いてしまうこともあった。  何も抵抗ができなくなるにつれて、尻だけでなく身体中を撫で回されたり揉まれたり舐められたりした。そうされながら尻を犯されるうちに、たまらなくなってあられもない声を上げ、すすり泣くようになった。  男に犯されて果てることが当たり前になってきた頃に、上等の着物を着せられて茶屋や料亭に連れて行かれるようになった。  そこで羽振りのよさそうな男に紹介され、その場で犯されたり、いくらか酒を飲まされた後に犯されたりした。  座敷の宴席に連れて行かれたときは、大勢の見ている前で尻に摩羅を挿れられ、ひいひいと鳴かされた。  毎日のようにそうやって犯されているうちに、身体が自然と摩羅を求めるようになった。尻に太いものを挿れられて突かれたいという衝動がこみ上げて、辛抱しきれず、自ら男に尻を差し出したりもした。  怒張した摩羅を尻に突き入れられて、快感に悶えずにいられなくなると、かつて言われた通りに自分は雌にされてしまったのだと思った。  そんなある日、壮年の男が訪ねてきて、また抱かれるのかと思いきや、縁側で茶を出され話をした。  話を聞いているうちに、いつぞやの座敷で会った男だということを思い出した。 「お前にまだ旦那が決まっていないと聞いてね」  男は顔つきも体つきも堂々としていたが、話しぶりは不思議と柔和な印象であった。 「ぜひ私がもらいたいと言ったら、本人がうんと言うならすぐにでもという話になった」  男は穏やかに微笑んで私を見ていた。 「どうだろう。うちに来ないか。不自由はさせないつもりだが」  ああ、これからはこの男が私を抱くのか、と思って、私は首を縦に振った。  

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