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第4話 愛の快楽

先輩は、オレのペニスを掴むとおもむろに口に入れた。 「はぁ、はぁ。先輩、先輩がオレのを……そんな」 「んっ、んっぷ、ん、ぷはっ。何言っているんだ? れろれろ。お前、これを望んでいたんじゃないのか? んっぷ、ん、んん」 やばい。 憧れの先輩がオレのをそんなに美味しそうに……。 しかも、先輩は口に含みながら、オレの柔らかい部分を手のひらで揉み続ける。 最高に気持ちいい。 「ん、ぷはっ。なんだ、宮川。お前のって舐めれば舐めるほど固くなっていくな。どれだけ固くなるんだ?」 「……うっ、先輩。でも、これ以上は……オレ出ちゃいそうです。はぁ、はぁ」 先輩は、竿の根元をギュッと掴んだ。 「バカ野郎……外に出してどうするんだよ。俺の中に出すんだろ?」 「は、はい。すみません……」 先輩のお叱り。 オレは、キュッとみぞおちに力を入れて気持ちよさをどこかへ押しやる。 苦しい。 苦しいけど、我慢すれば、先輩と繋がれる。 絶対に我慢してやる。 そして、先輩と繋がって……先輩を気持ちよくさせるんだ。 オレは、目を閉じて呼吸を整える。 そして、精を吐き出したい欲求を抑え込む。 すーはー。 そうだ、オレだけが気持ちよくなってどうする? 先輩を気持ちよくして元気になってもらう。 それがオレの真の望みだったはず。 すーはー。 よし、もう平気。 「先輩! 大丈夫です!」 オレは目を見開いて、先輩を見つめた。 先輩は、オレの視線を受け、フッ、と笑みを漏らした。 さすがだな。 そんな事を呟いたように聞こえた。 そして、一転して優しい口調で言った。 その手にはしっかりとオレのペニスが握られている。 「なぁ、宮川。俺も、実はこいつを欲しくて、アナルがうずいてきやがった。こいつをもらっていいか?」 オレはすぐに答えた。 「はい!」 「分かるか? ここだ」 先輩は仰向けで両足を開いて腰を浮かせた。 そして、アナルを指を使って広げる。 綺麗なアナル。 オレは思わずため息を漏らした。 「綺麗です。先輩の……すっごく」 「ふっ、そうか? さぁ、来いよ。そのぶっといの突っ込んでみろ」 「はい!」 憧れの先輩と一つになれる。 オレは、勃起したペニスを先輩のヒクヒクするアナルにあてがった。 そして、徐々に押し込んでいく。 先輩のアナルは柔らかく、ペニスの先端は入り、そして竿がどんどんと吸い込まれていく。 その度に、先輩は体をビクっ、ビクっ、と痙攣させた。 「すごい……お前の……うっ、うっ……」 ついに、オレのペニスは先輩の中に奥まで入り切った。 雄と雄だけど、鍵が鍵穴に収まるように完全につながっている。 これがあるべき姿、かのように……。 オレは、それを見て感動で全身が震えた。 ああ、すごい。 オレは先輩と一つに繋がっている。 「……先輩、オレのが先輩の中に全部入っています」 先輩は、熱い息を漏らしながら、言った。 「うっ、あぁ、はぁ、はぁ、お前のはすごいな。おかしくなりそうだぜ」 「せ、先輩の中もすごいです。気持ちよくて堪りません」 「はぁ、はぁ、そうか? なぁ、宮川。俺がいくまで絶対にいくなよ。できるな?」 「はい!」 「よし、じゃあ、突いてくれ……うっ……はぁ」 オレは先輩の腰を両手でしっかりと押さえ、腰を動かす。 先輩のアナルの中でペニスの先が擦れる気持ちのよい感じ。 そして、ペニス全体が温かいものに包まれ、熱いものがたまっていく感触。 最高に気持ちがいい。 そして、なにより、オレの快感を誘うのは、先輩の姿。 先輩は逆手でシーツをギュッと握りしめ、オレの腰の動きに合わせて体を動かし、そして、「はぁ、はぁ」と喘ぎ声を漏らすのだ。 快感に溺れて、そしてオレを求めている姿がそこにある。 オレは、そんな先輩の姿にゾクゾクして、もっと、もっと、先輩を気持ちよくさせたいという欲望にかられる。 「うっ、うっ、いいぜ。もっと、もっと、来いよ……はぁ、はぁ」 「はい!」 先輩に煽られ、オレは腰の振りを早くする。 先輩の勃起したペニスが、ぷらぷらと揺れるのが目に入った。 オレは一瞬、躊躇した。 でも、よし、と心を決めると、先輩のペニスを握り締めた。 そして、ピストン運動に合わせてしごき始めた。 先輩は、オレの顔をチラッとみた。 そして、口元を緩める。そして、また何かつぶやいたように見えた。 きっと、正解。これでいいんだ。 先輩は、やがて顎が上がり目を閉じた。 体の痙攣の周期が短くなってきている。 先輩のペニスも小刻みに脈を打つ。 感じているんだ。 オレもペニスに溜まった熱くたぎったものが、もう爆発寸前まで来ている。 でも、先輩がいくまで、絶対に耐える。耐えてみせる。 オレは、激しく腰を突き上げた。 すぐに、先輩は声を上げた。 「うっ、すごいぞ……奥まで来てる……だ、だめだ、いきそうだ……うっ、うっ」 「先輩、気持ちよくなってください。はぁ、はぁ」 さらにもう一回。 もっと、激しく突き上げる。 先輩は、うわ言のように言った。 「うっ、いくっ……宮川、お前の熱いのを俺の中にぶちまけてくれ……」 「はい、先輩っ……オレ、出します。オレの全てを……うっ」 そして、次の渾身の突き上げで、先輩は絶頂を迎えた。 「あーっ!」 先輩の断末魔で、オレは達成感に満たされた。 それと同時に、ペニスに熱く溜まったものが先輩の中に一気に広がっていくのを感じていた。 オレと先輩は抱き合ったまま、互いの心臓の音を感じ合う。 一つになれた喜びが体中の細胞へ行き渡る。 徐々に落着きを取り戻し、オレは、先輩の手を取って恋人結びでギュッと握った。 オレは、ずっとひっかかっていた事を先輩に言った。 男としてこれを言わずにはいられない。 「先輩、オレ、卑怯ですよね?」 「ん? 何がだ?」 先輩は不思議そうにオレを見つめる。 「先輩がミユさんの事で落ち込んでいる所につけ込んだみたいで……」 先輩は、一瞬固まった。 そして、一気に笑い出す。 「ぷっ。ははは。あはは」 「何を笑うんですか!」 「いや、違うんだ。笑ってすまなかった」 ふてくされるオレ。 しかし、その後の先輩の言葉を聞いて、今度はオレが驚いた。 「俺はさ、宮川。ミユの件がある前からずっとお前の事、いいなって思ってたから……」 「えっ……それは本当ですか!?」 先輩は、昔を懐かしむように言った。 「お前、初仕事で失敗した事あっただろ?」 「はい」 「あれ、半分は俺のせいだ。だって、そうだろ? 新人のチェックを疎かにしたんだ」 「でもあれは、先輩の言う事にちゃんと従わなかったオレが……」 いや待て、と先輩は手を出す。 「お前は、素直に自分の過失を認め辞表まで書いてやがった。俺は思ったよ。ついこの間まで学生だったやつができる事ではない。一生懸命に就活して入った会社だというのに。こいつは本物の男だってね」 「そんな事……あの時は無我夢中だったし、そんなのオレを買い被りです!」 そう言えば、あの時は辞表の書き方を調べたりしてたっけ。 思い出すと、我ながら青かった、と恥ずかしくなる。 「なぁ、宮川。自分に自信を持てよ。お前はこの俺が認めた男なんだから」 「せ、先輩!」 先輩は、そんなオレに微笑みを向けると、手を差し伸ばしオレの頬をそっと触れた。 あったかい手の温もり。 オレは、目を閉じてその手を自分の頬を押し付ける。 先輩とずっといたい。このまま。 先輩は、突然言った。 「ふふふ、って、お前。また、おっきくなってないか?」 先輩は、オレのを見てからかうように言った。 オレは顔を真っ赤にしながらも開き直って言い返す。 「そんなの当たり前ですよ。先輩に褒められたんっすから!」 「ははは。お前ってやつはやっぱりすげぇやつだよ」 「ちょっと、先輩。オレをバカにしてます?」 オレは、子供がむくれるように口を尖らせた。 そんなオレを先輩はなだめるように頭を撫でた。 「あはは、そんな事ねぇよ。俺を抱き足りないって事だろ? いいぜ、お前の気持ちを受け止めてやるよ」 「せ、先輩!」 オレは、すぐに先輩に飛びつく。 がっついているって思われたっていい。 これが正直な気持ちなのだから。 オレは、先輩に覆い被さると、強引にキスを迫った。

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