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ぷろろーぐ。・電車の中なのにっ!!(1)

 電車は嫌い。  ガタゴト揺れるし、  うるさいし、  特に、朝は通勤ラッシュで混み合っていて、車内はぎゅうぎゅう詰め。  とても疲れる。  だから午前八時の今も、電車の中は鮨詰(すしづ)め状態だ。  ただでさえ、ものすごくきついのに、なんたってぼくの身長は百六十センチと、高校二年生にしてはかなり低い。  だからぼくはいつものように、人に押し潰されそうになるわけで……。  うああ。  息苦しい。  だけど、電車が嫌いな理由はそれだけじゃない。  それは……。  ……ああ、まただ。  ぼくは唇を噛みしめ、漏れそうになる声を押し殺す。  不快感がぼくを襲う。  そんなぼくのお尻には、誰かの手が乗っていて、まるで形状をたしかめるかのようにして、スルスルと撫でられる。 『また』っていうのはそう――。  これは今に始まったことじゃない。  こうやって、いつも電車の中で痴漢にあってるから――

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