3 / 61
ぷろろーぐ。・電車の中なのにっ!!(3)
それなのに、ぼく自身を握っている手が動くたび、水音が弾き出される。
それってそれって、感じてるってこと?
先走りが流れているっていうことだ。
どこの誰かも知らない人に?
そんなの、イヤだ!!
勃ち上がったぼくのものを握る手が、力を緩めたり、加えたりしてシコシコと擦られる。
俯けば、見えるのは骨張った手。
指の腹でぼくの鈴口を器用に撫でていた。
まるで、先走りをなじませるような指の動きだ。
だけどそれだけじゃない。
身をくねって拒絶しようとすると、お尻の孔に入っている指がクリクリと円を描いて中を弄る。
ぼくの中にある、一点に触れられた時だった。
「っは!! あっ」
ビクンッ!!
身体が大きく跳ねて声が漏れてしまった。
それも、女の子みたいな、ヘンな声がっ!!
もう、ダメ。
射精感をガマンできない。
恥ずかしい気持ちを振り払うため、思い切って顔を上げ、振り向くと、そこには……。
「うそ……な、んで……」
ぼくは言葉を失ってしまった。
そしてパニックを起こし、ただただ、その人を見上げるばかりだった。
ともだちにシェアしよう!