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第15話 ようこそ、PdMCへ!・6
その後は壇上に上がった主催者メンバーがスピーチするのを見たり、ナガさんが連れていたトラの子のタトゥーを見せてもらったり、幸次郎さんと涼真さんと一緒に写真を撮ってもらったり、また華深やヒカルさん達と合流してデザートを食べたり――心から楽しい時間を過ごした俺達は午後八時頃、懇親会会場を後にした。
「那由太、またね!」
「気を付けて!」
今度は皆でカラオケでも行こうと約束をして、手を振りタクシーに乗り込む。美味しい食事やデザートのクレープで腹も満たされたし、新しい友達もできたし、大満足だ。
「今日は疲れたでしょ那由太。お風呂も入ったしブログ書くのは明日にして、もう寝てもいいよ」
スマホでブログを書いていたらうとうとしていたらしく、炎珠さんが俺の手からスマホを取りながら抱き上げようとしてくれた。
「……炎珠さん。あれ……刹は……?」
「まだ歯磨いてるよ。刹も絶対眠いと思うから、今夜は少し早いけど……」
炎珠さんの腕をぎゅっと掴み、その温かい胸に顔を埋める。
「あら、どうしたの那由太」
「……今日は、三人で寝たいです。三人くっついて、……」
「そっか。じゃあベッドじゃなくて布団敷いて寝よう」
男三人で横になれる大きさのベッドは家にはないから、わざわざ炎珠さんがフローリングの床に二組の布団を敷いてくれた。俺もシーツや枕の設置を手伝い、ぼんやりしながら夏掛けの薄い掛布団を抱きしめる。
「お、……何だ、今日は床で寝るのか」
歯磨きを終えてリビングに入ってきた刹が、布団の上に転がる俺を見て呆れたように笑った。
「あはは。今日は懇親会で色々考えることもあっただろうし、眠いのもあって那由太が甘えたいモードになってるみたいだよ。三人一緒に寝たいって」
「俺はどこでも寝れるからいいけどよ」
エアコンの温度をいつもよりほんの少し下げて、三人並んで布団に横になる。俺の右側には刹、左には炎珠さん。両サイドの二人と腕を組んで愛情独り占めしながら、俺は安心と幸福感に包まれ甘い夢の中へと落ちて行った……。
「おやすみ、那由太」
意識が優しくとろけ出す中、俺は一つの決意をする。
近いうちに、二人に何か恩返しをしよう。
与えてもらった安心と愛情のお返しとして、俺からも二人に何かを贈ろう。
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