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第52話 ※

「大丈夫。痛くないよ」 皺を伸ばすように、クルクルと周りを撫でる。 「深呼吸して。前はできてたからゆっくりすればいけるよ。焦らないで、力抜いて。」 「っ、ふー……」 そうだ。前はできた。同じ体なんだから、できないことはないはず。 深呼吸を繰り返し、力が抜けていく。 そう思って深く息を吐いたとき、くぷっと指が入ってきてキュッと締め付けてしまう。 「真樹、深呼吸を続けて。痛くないでしょ?怖くないよ」 「ぅ、は、はぁー……っ」 「そう、上手。」 指はゆっくりと奥に進んでいく。 痛みは全くない。少し不快感があるだけ。 凪さんの言う通りにすれば、何も怖がる必要は無い。 「うん。ほら、一本入ったよ。」 「は、はい……っ」 「真樹の好きなところ触ろうか」 中の指は動きを変えて、前に触られた時異様に感じた部分をそっと撫でた。 「っひ!」 「ここ、気持ちよかっただろ?」 「はっ、ぁ、あぁ……んっ」 撫でるだけだったのに、時々グッとそこを押し込んできて腰がビクビク跳ねる。 必死で息を吐いていると指が一度抜けた。 「もう一本挿れるね。大丈夫、入るから。今までと同じでゆっくり呼吸していてね」 「は、い……」 ふー、ふー、と息を吐いていると指が後孔に当たる。 ゆっくりとさっきより大きい質量が入ってきて、思わず体に力が入ってしまう。 「こっちに集中して」 「あ……っ」 反対の手がペニスに触れて、直接的な快感を与えられると気持ちよくて、それを感じている間に指が奥まで入った。 指は暫く動かされることはなく、落ち着いて中が馴染んできた頃に漸く動き、また前立腺を撫でられる。 「はぅ、は、ぁ……!」 「上手にできてるよ」 「あ、凪さん……っん!」 前立腺が指で挟まれ、小さく震わされる。一気に達しそうになって指をキュッと締め付けた。 「だめ、はぁっ、それ、きもち、いいから……っ、あ、やぁ、だめ、凪さん……っ!」 爪先がピンと伸びる。 無理、ダメ、我慢できない。 「あぁっ、ぁ、イク……ッ!」 頭の中が真っ白になる。 気持ちいい。そこからなかなか下りてこれない。 「はっ、はぁーッ、ハァ、ッ!」 一気に脱力し、その間に三本目の指が挿入された。 ローションも足されたのか、グチュグチュと音が鳴って恥ずかしい。 「っ、あ、あ、気持ちいい……っ、ゃ、それだめ、奥、しないで……っ」 「ここも好き?」 「んぅっ!すき、気持ちいいから、あっ、ひっ、ぃ、っ!」 指が抽挿を繰り返し、深い所を突く。 自分でやった時はこんなに気持ちよくなかったのに。 どうして。すごく恥ずかしい。

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