101 / 195

第101話 ※

抱き締められて、そのまま、唇が重なった。 舌を絡ませて、口内を蹂躙され、脱力した時に体が浮遊感に襲われる。 あっという間にベッドに連れられ、押し倒されて目を見開いた。 「え、凪さん……?」 「ごめんね。どうしても可愛くて……」 「ぅ、す、するの?でも俺、風呂も入ってない……」 「大丈夫だよ」 何が大丈夫なんだろう。 疑問符が頭の中に生まれるけれど、その間にスーツは脱がされ、床に放られる。 「あ、俺のスーツ……」 「新しいの買うよ」 胸にちゅ、と唇が触れる。 そのまま首筋に顔が埋められ、チクッと痛みが走る。 大きな手が体を撫でて、はぁ……っと息を吐いた。 「真樹に甘えられるのは心地良いね」 「でも男だから可愛くないでしょ」 「可愛いよ。番に甘えてもらえるのは幸せだし、何がなんでも頑張ろうって思う。」 「本当……?迷惑なら、はっきり言ってもらった方が……」 「迷惑じゃない。むしろ、本当に気分がいいんだ。その……真樹を貶しめる男に関しては最悪だし、できるなら捻り潰したいけどね。」 「捻り潰すの?」 「許されるなら」 お腹を撫でていた手が、下履きを脱がせて生まれたままの姿になる。 下生えに触れられ、そのままペニスを撫でた手。ピクっと反応してしまう。 「いっぱい飲んだみたいだから、勃たないかもね。」 「イけないってこと……?」 「ううん。それは大丈夫」 ペニスから手が離れ、口元に指が差し出される。 それを口に含んで唾液を絡め、指の間もグチュグチュになるまで舐める。 指が抜かれると、そのまま後孔を撫でられて、ゆっくりと挿入された。苦しい感じも痛みもなくて、むしろおかしくなるくらい気持ちがいい。 「はぁ、あ……きもち、凪、そこいっぱいして……っ」 「ここ?気持ちいいね」 「あ、ンッ!きも、ち……すごい、気持ちいい、もっと、もっと……!」 乳首をじゅっと吸われ、勃起したそれを甘く噛まれる。 思わず腰を突き出したけれど、射精は愚か勃起すらしていなくて悲しい。 「んんっ、なんで、いきたいのに……!」 「出せないから、今日はこっちでイこうね」 「ひゃっ、あ、あぁっ!だめ、きちゃう、気持ちいいの、クる……っ!」 前立腺を指先が引っ掻いて、爪先がピンと伸びる。 頭の中が一瞬真っ白になって、体がビクビク痙攣した。 「っひ、ひぃ……っぁ、いっ、た、凪……!イッた……っ!」 「うん、まだまだイこうね。」 「んぅ、うぁぁ……!」 まずい、まずい。 俺が甘えたことで、凪に変なスイッチが入ってしまったみたいだ。

ともだちにシェアしよう!