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第188話 プラネタリウム

翌日、仕事を終えてフロントで待っていると、蒼太がエレベーターから降りてきて、俺を見つけた途端に駆け寄ってきた。チワワが遊んでくれと走ってきたかのように可愛らしい。 「待った?ごめんね。」 「ううん。このまま俺の家でいい?それか外でご飯食べてからでもいいし……」 「ヒロくんの家に行ったらご飯あるの?」 「出前頼む」 「それだとゆっくりできて嬉しいな」 「じゃあそうしよう」 出前は何を頼もう。駅まで歩いてスマートフォンのアプリを開き、電車に乗ってから蒼太に渡す。 「何がいい?」 「んー、あ、チキン食べたい。」 「チキン?何かある?」 「この韓国料理の……」 「本当だ。美味そう」 他にもメニューを見て、結局チキンとラーメン、それからピザというおかしな組み合わせを注文した。 電車を降りて、なるべく自然に蒼太の手を繋ぐ。 「ねえ、僕に見せたいものって何?」 「それはお楽しみ」 「えー、気になるなぁ。」 「多分、喜んでくれると思う……。期待外れだったらごめんね。」 「ヒロくんと一緒にいるのは楽しいから、僕はそれだけでも幸せだよ。」 幸せなのは俺の方です。 そんなこと言って貰えるなんて……。やっぱり俺には蒼太しか居ない。 家に着くと蒼太は恐る恐るといった様子で「お邪魔します」と言い、部屋に上がった。 それから十分ほどで頼んでいた出前が届いて、先にご飯を食べることにした。 「チキン美味しい……!ヒロくん、ラーメンちょっとだけ頂戴?」 「好きなだけ食べてどうぞー」 ピザを一切れ取ってバクバク食べる。 久しぶりに食べると普段の何倍も美味しい。 「ラーメンありがとう。僕もピザ食べる」 「蒼太って細いけど意外と食べるよね」 「いや、太るから普段は制限してるよ。ポチャポチャなの嫌でしょ?」 想像してみると、ふにふにしてる蒼太も可愛かった。 「全然」 「嘘だぁ。でもどっちにしろ、健康で長生きしたいから暴飲暴食はしないよ。」 「凄いね。俺は食べたいなって思ったら食べちゃう。家でご飯を食べる時は自炊をしないからインスタントラーメンで済ませることが多いし。」 「インスタントラーメンもダメなわけじゃないけど……時間がある時、ここに来させてもらって、僕が作ろうか?」 「え、いいの?」 「うん。ヒロくんがいいなら」 蒼太の手を勢いよく握り目を合わせる。 「お願いします!蒼太のご飯食べたい!」 「そ、そんなに美味しくないと思う……」 「蒼太の作ってくれるってことに意味がある!」 「……凄い勢いだ」 くすくす笑う彼に、俺もつられて笑う。 確かに、嬉しいからといってはしゃぎ過ぎた。

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