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第8話
正直どこをどうやって帰ったかなんて全然覚えてなくて
気付いたら恋人の待つマンションの部屋の前に居た。
ダウンのポケットに手を突っ込むとスマホに指が触れる。
それを見ると大量の不在着信とメールが君から送られてた。
心配掛けたよな?
でも今から俺はもっと残酷な言葉を君に伝えないといけない。
そう思うと胸が苦しくなる。
もし事実を伝えたら君は俺の側に居てくれるだろうか?
今まで通り俺を愛してくれるだろうか?
不安に押し潰されそうになりながら大きく深呼吸をする。
君に会いたい
でも会いたくない。
複雑な心境のまま鍵を開けて中に入った。
ごめんな・・・・・・・・・?
今から君を泣かすよ・・・
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