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第12話

「すみません・・・僕が泣いちゃって・・・」 貴方の首筋に顔を埋めて呟くと ゆっくりと体が離された。 「びっくりしたよな?ごめんな・・・」 至近距離で絡む視線。 僕が写る瞳を見つめる。 「何がごめんなんです?」 ちょっと意地悪く聞き返すと長い睫毛を揺らして瞳が細められた。 「びっくりさせたから?」 「僕より・・・貴方が驚いたでしょ?」 「確かに。でも・・・・・・・・・あんまり実感もないんだよなぁ。」 そう暢気に呟きながら僕の唇を指で撫でる。 気付いてますか? キスする前の貴方の癖。 ゆっくり瞼を閉じると重なる唇。 現実逃避してるのは分かってる。 でも今は貴方の温もりを感じてたい。 首に腕を回してソファーに倒れ込んだ。

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