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第15話
1週間後の診察日。
どうしても一緒に行くと言って聞かない君に押し切られて病院に向かう。
いつも俺が座ってた運転席に座る君の横顔を見つめた。
まだ目は違和感はあるけど見えてる。
でも心配性の君は俺にハンドルを握らせてはくれなかった。
病院の駐車場。
変な緊張感に包まれてた俺の手を君が握る。
「大丈夫です。きっと何か手がある筈です。」
根拠の無い慰めでも
君の言葉ならそうなんじゃないかと思ってしまう。
こんなに心配して慰めてくれて
自分がこの世で一番君に愛されてると実感する。
これは自惚れじゃないよな?
意を決して2人で病院に向かう。
手には君の優しい温もりを感じながら。
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