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第27話 花が咲く庭⑪

 塔の中には、螺旋階段と巨大な寝台があった。 「この塔全体にも魔術がかかっているんだ」  ゼルスはそう言いながら、力の入らない僕の体を白いシーツの上に下ろし、服を剥いた。全裸になった僕の折った太股の間に体を置き、僕の後頭部に腕を回して何度も首筋を舐める。  そうしてベルトを外された。太股が外気に触れる。するとゼルスは、僕の下着の上から、後孔を刺激した。気づけばそこからは、ドロリとした体液が漏れ出していた。下着がどんどん濡れていく。何度か下着から陰嚢までを指でなぞった後、ぐちゃぐちゃになってしまった下着の横から、ゼルスが直接的に後孔へと指を挿れた。痛みはない。 「はしたないな」 「あ、あ、嫌だ……ッ、ぁ……ああ!! かき混ぜちゃだめ、ああ、ア!!」 「こんなにドロドロにして、どこが欠陥品なんだ?」  ゾクリとするような声音で、ゼルスが言った。思わず僕が腰を引くと、体を反転させられた。 「ああ!! ……ッ、んア――!!」  そしてゼルスは容赦なく僕のうなじを噛んだ。その度に、僕の内側からは粘度の高いドロドロの液体が溢れる。眼窩の奥がチカチカと白く染まり始める。 「キルト、這ってごらん」 「あ、あ、あ」  僕が言われた通りにすると、ゼルスが巨大な亀頭を、僕の中に埋めた。太く長い。そのままのしかかるようにされ、後ろから左手首を捕まれる。同時に再びうなじを噛まれた。僕の内側が蠢いている。繋がっている箇所が気持ち良い。どんどんゼルスの肉茎が僕の中を押し広げていく。その度に、僕の内側からはドロドロの体液が溢れる。 「いや、いや……」 「何がだ? 嘘は良くないな。腰が動いているぞ」 「だめだよ、なにかクる、あ……――ああ――!! や、やぁ」 「Ω特有の性感帯だ。たっぷりこれから可愛がってやる。ここだろう?」 「あ、ああ……ああ!!」  意地悪くゼルスが腰を揺すった。すると先端が、僕の内部の感じる場所を抉るように刺激する形になった。声を上げ、僕は号泣した。気づくと僕の陰茎は反り返っていて、白液が飛び散っていた。 「勝手に一人だけ気持ち良くなったな。悪い子だ」 「う、うう……うああああああ!!」  その時ゼルスが、根本まで一気に挿入した。αは陰茎の付け根に特有の瘤がある。それまでグッと押し込まれ、僕は体を震わせた。逃れようと藻掻いた右手もまた、左手と同じようにぎゅっと握られシーツに押しつけられる。その状態で内部の感じる場所を押し上げられた。 「いっぱい種をつけてやるからな」  ゼルスが動き始めた。激しく抽挿され、何度も瘤まで突き立てられて、僕は咽び泣いた。あんまりにも気持ちが良すぎた。 「出すぞ。これからは、俺で染め尽くしてやる」 「ひぁああ!! ああああ、熱い、あああああ!!」  大量の精液が僕の中に注がれた。ゼルスの瘤が栓をする。おなかの中が熱いほどだった。  ――事後。  どれほどの間交わっていたのかは分からないが、ゼルスが陰茎を引き抜くと、僕の内側からドロリと精液が溢れた。ぐったりとし寝台に沈んでいた僕は、後孔から流れ落ち足の合間を濡らしていく白液を肌で感じていた。 「目が覚めたか?」  気づくと僕は、ゼルスに腕枕をされていた。先ほどまでの行為を思い出して、僕は怖くなり、思わずギュッとゼルスに抱きついた。優しい顔をしているゼルスはいつも通りに戻っている。先程までの、僕が知らない捕食者のような顔はもうしていない。 「すまない。抑制が効かなかった。欲するがままに夢中で求めてしまったんだ。体は大丈夫か?」 「うん……平気」 「良かった。清楚で無垢なキルトを染め上げる事は、たまらないな。もっともっと俺の手で、淫靡に作り替えたくなる」 「そうなると、僕はどうなるの?」 「俺なしではいられなくなると言うことだ」 「僕は今も、ゼルスがいなかったら辛いよ」 「可愛い事を言うんだな。だが心も体も、もっと求めるように、一つ一つ教え、開いてやる」  ゼルスの瞳が、再び獰猛に煌めいた。ゾクリとして、僕はギュッと目を閉じ、ゼルスに抱きついていた。そんな僕の髪を撫で、ゼルスが僕の頬にキスをした。 「必ず幸せにするからな」

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