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第5話
「狩野くん、息子の悠希だ。よろしく頼む」
「こんにちは、悠希くん。私は、狩野 智久です。よろしくね」
「よ、よろしくお願いします」
克也は、智久に耳打ちした。
「悠希は人見知りで、引っ込み思案なんだ。何とか君の力で、楽しませてやってくれ」
「承知しました」
さっそく智久は、バスの席を悠希の隣に替えた。
「悠希くんは、高校生だってね。学校、楽しい?」
「まあまあ、です」
「私は高校の頃は、部活ばっかりやってたなぁ」
悠希の気持ちを上げようと、サービス精神を働かせ、智久は愉快なお喋りを続けた。
お菓子を交換したり、ミニゲームをやったり。
そんな智久に、悠希は次第に惹かれ始めた。
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