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ありがとうとごめんなさいの夜・3

「わ、……」  反対側の頬にキスをすると、ヘルムートが驚いたように小さく声を発した。思った通りだ。相手のための教育ばかりで、彼は自分への快楽なんて全く教えられていない。 「千代晴。おれビックリすると声出ちゃいます。……おれの声で千代晴、ビックリするかもしれません」  汗を飛ばして真っ赤になるヘルムートに、ついくすくすと笑ってしまう。さっきまで俺のペニスをしゃぶっていたエロい顔はどこへ行ったんだか。 「構わねえよ。声は出るモンだ」 「む」  きゅっと口を結んで声を我慢するつもりらしい。それならばと、俺はヘルムートの首筋や鎖骨に次々とキスを落として行く。 「ん、ん……む、ぅ」 「………」 「――ひゃんっ!」  予想通りの処女の反応に、俺はヘルムートの乳首を啄みながら心の中で含み笑いをした。 「ひ、あ……やぁ、ちよはる。……そこ、声出ます……、やっ、やぁっ……」  小さな薄桃色の乳首はまだ刺激を知らない。丹念に、丁寧に舐めてやるとたちまち愛らしく主張する形になり、ますます俺の息を荒くさせる。 「うあ、ぁ……! ちゅ、ちゅって……だめですっ……」  薄っすらと汗ばんでいるヘルムートの肌。感じているのは間違いないが、まだこれが「気持ちいい」とは分かっていないのかもしれない。 「………」  俺しか知らない体……。 「ヘルムート、……」  男として、それは少し嬉しいかもしれない。 「は、ぁっ、……千代晴っ……?」  俺は乳首への愛撫を一旦やめて、じっとヘルムートの顔を見下ろした。  潤んだ青い瞳。乱れた金色の髪。上気した頬、半開きの唇…… 「あ、あの……」  そして、その声。その喋り方。 「おれ、……胸の尖ったとこ、千代晴がチューすると……、気持ちよくなって……ごめんなさい」 「っ……!」  ブツン――。  見事に理性の糸が切れた音がした。

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