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恋する宇宙の便利屋さん・7
続いて運ばれてきた唐揚げを頬張りながら、ナハトが「そうだ」とテーブルを叩く。
「千代晴ちんの休みも限られてるし、せっかく仲良くなれたんだし、夏の思い出にみんなでナイトプールに行こうよ! プールサイドでシャンパン飲んで、最高の熱帯夜を過ごしたい!」
「……またお前は、面倒臭せぇこと言い出しやが──」
「ナハト、ナイトプールって何ですか?」
「ヘルちゃんはプールで泳いだこと無さそうだもんね。広ーい水のお風呂みたいな所で、きらきらにライトアップしてあって、星空の下でめいっぱい泳げる場所だよ!」
ヘルムートの目がそれこそきらきらと輝き出す。そんな「プラスの面」だけ言われたら期待しか持てないのは当然だ。
「ヘルムート。プールってのは確かに楽しいかもしれねえが、野外である以上厄介なことも多いんだぞ。虫も出るし、暑っついし、人も多いし……」
「おれ、虫は好きです! 地球の暑さも大丈夫です!」
「ボクの知り合いの別荘にあるプライベートプールだから、人の心配はしなくて平気だよ~」
「千代晴。プール行きましょう!」
「仕方ねえなぁ。……瑠偉はどうだ? 嫌だったら断ってもいいんだぞ」
「いえ、僕も行きたいです。是非ご一緒させて下さい」
「やったぁ!」
正直なところ、プールなんて小学校の時以来だから俺も多少は楽しみだ。プールならこの辺りの海と比べて見た目も綺麗だろうし、地球に来てまだ一度も水の中に入っていないクラゲの王子を水場で遊ばせてやりたい気持ちもある。
「良かったねヘルちゃん、自由に泳げるよ!」
「わ、わ……! 泳ぎたいです──っ!」
テンションが上がってメロンソーダのストローをずるずるすするヘルムート。
「千代晴ちん、ボクのためにありがとぉ~。るいるいと良い思い出作れそうだよぉ……!」
「構わねえさ」
どちらかといえばヘルムートのために、俺はプール遊びに必要な物を色々と頭の中で思い浮かべた。
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