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第1話

別に誰でも良かった。 僕を愛してくれるならそれでよかった。 キスも、セックスもしているだけで 愛されてる実感など湧くわけがない。 だから、僕が君に溺れるのに時間はかからなかった。 別に僕はホモというわけでも 女の人を愛せないというわけでもないが 何故か、気がつくと恋人はいつも同性ばかりだった。 それでも、愛があれば別にいいという 甘いこじつけの中で男に抱かれてた。 そうしないと捨てられる気がした。 案の定、男は所詮、女が好きらしく最後は捨てられて終わる。 夢物語のお姫様のようには物事は運ばれない。 それならいっそ、ずっと、夢物語の中で眠りつづけて死んでいたい。 何度目の告白、何度目の恋人、何度目の失恋。 もう、慣れすぎて涙もましてや表情すら何も変わらなくなった。自分にいい加減愛想が尽きてなんとなく入った本屋。興味などない本に手をかけてみたが内容など頭に入ってくるはずがない。時間的にももう、家に帰った方がいいだろうと思い店を出ようとすると店の出口で人とぶつかった。相手は何も言わずに店内に入ろうとしたが僕はさっきのことといい、こいつの態度といいイラつきがついに限界に達した。 誰かもわからないまま、どこぞのチンピラといい勝負というくらい理不尽に相手の肩を力ずくでつかみこっちらを向かせた、文句を言ってやろうと口を開こうとした瞬間に自分がしまったことに気がついた。が、もう遅い。最悪だ。今日は何もかも終わっている。まさか、なんで、今このタイミングで会うのか神様に猛抗議したかった。 なにせ、相手が人生で初めての恋人だった男だったのだから。。。

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