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教えて!先生っ 2

 学校行っても絶対授業にならないし! 「あの、ヒート明けなのに早退ってどう思います?」  どんぐり眼をぱちくりとさせ、校門とオレを交互に見比べてから、ちまっとした親指を立てて突き出してきた。 「校門入ってないからセーフセーフ!まだ調子悪そうで死にそうな顔で血ゲロ吐きながら這いずってたって言っといてあげるよ!」 「調子悪いで止めといて大丈夫ですよー」 「そう?」 「後々面倒だから休むとだけ言っといてください」 「はいはーい。じゃあ気を付けてくださいね!」  可愛らしくにぱっと笑う虎徹先生に何も返せず、顔色の悪いまま曖昧に笑って踵を返した。  ……と、言っても素直に家に帰るわけじゃなくて、オレを噛んだ相手を探しに行く時間が出来た!  ってことで、昨日飲んでたバーに話を聞きに行くかぁ。  何年か振りにかかった嘔吐下痢の、その終わりに始まった発情期のお陰で鬱憤溜まりすぎて、バーではっちゃけながら快気祝いの酒を飲んだ記憶はある!  声をかけられた記憶もある!  凄く楽しかった記憶もあるし!  まぁ……なんだ、多分発情期がちゃんと終わってなかったらしくて、しかも薬の効きが悪かったせいでー とかいろいろ理由はあるけど、ムラムラしたのも覚えてる。  んで、やっべー感じのめちゃくちゃいい匂いがして……  ちょーぜつ気持ちよかった記憶もある!  でも、顔の記憶だけがない‼︎  だいぶ飲んでたのかダブって見えて……どんな顔だったかなぁ…… 「……って、あれか、流石に朝は開いてないか」  バーの看板を見上げた際に、首の後ろがずきりと痛んだ。  ワイシャツに擦れて、塞がりかけたかさぶたがまた剥がれたらしくて、治っていない傷口が擦れる気持ちの悪さがする。 「もうヤダ  」  首を噛まれたと分かっていたならラブホで飛び起きた時に相手を確認もしたが、てっきりワンナイト的なアレだと思ったから相手が起きる前に飛び出してしまって……  すれ違う人の視線が痛いなーって思ったら首の後ろが真っ赤だった。  そこで気付いても、もう遅かったよね。  急いで引き返しても部屋はすでに清掃中で、結局誰かは分からなかった。 「あれぇ?カラスちゃんどうしたの?」 「あ  ヒタさん……」  似合わない顎髭をいつか剃ってやりたいと思わせるバーのマスターは、ひょっこりと裏口から顔を覗かせて不思議そうな顔だ。 「何か忘れ物?」 「忘れ物 って言うかー……人探しなんだけど……」 「ああー!昨日一緒に消えたイケメンズのこと?」 「それそれそ   待って。ズ⁉︎」  すっとぼけた顔をして、ヒタは二人と消えたじゃない とニマニマと笑って答えた。  複数とは……ちょっと待って、想定外。 「次にどこ行くとか話してたの聞いてない?」  そろそろと聞いてみるけれど、ヒタは慈愛に満ちたように見えてただの生暖かいだけの目でオレを見詰めて、労わるように見えて実は「面倒ごとに巻き込むな」と言っている表情で首を振った。 「待ってよぉぉ」  あー……初っ端から詰んだぁ。

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