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お可愛いΩ お可哀想なα 27

「~~っ!欠点だらけでっ何も持ってないオレが!ほんの少しでも誰かに気を留めて貰うためにはっちょっとでも役に立つしかないのに!なんでそんなこと言うんだよっ!オレは俺なりに必死になって、自分の居場所作ろうとしてるのにっ!最初から居場所を持ってる銀花にそんなこと言われたくないよ!」 「おせっかいはおせっかいだもんっ!」 「そんなのわかってるよっ!」  オレが気にしなくとも、朝は目覚ましを増やせばいいし、お昼ご飯は食堂に行けばいい、時間割を忘れたら誰かに借りればいいし、制服だって皺だらけでもいいなら困ることはない、滑って転んで……怪我したらいい加減学ぶだろうから、正直オレがここまでする必要ないのはわかってる。  でもそれをしないと、きっと銀花の視界にオレは入らない。  おはよう とか、おかえりなさい とか、そう言うのはあるかもしれないけど、三人で完結してしまった世界でオレは忘れ去られると思う。  お父さんにうたさんがいて、  薫に喜蝶がいて、  おじさんにも番がいて、  おじいちゃん先生にも奥さんがいる、  お互いを見つめ合う相手がいる中で、オレが入れる隙間なんかどこにもなくて…… 「オレはっオレを一番に思ってくれる人を探して必死なのにっ!」 「じゃあぼくに構わなければいいでしょっ!」  いつだって、愛してくれる、受け入れてもらえる人のいる銀花が羨ましくて、妬ましくて、持ってる人間に持てない人間の苦悩なんてわからない! 「じゃあもういいよっ!銀花なんか知らないっ!」 「こっちだってりっかのことなんか知らないもんっ」  お父さんが焼いてくれた美味しそうなフワフワのプレーンオムレツがもったいなくて仕方がなかったけど、今は同じ食卓に着いてご飯を食べるなんて無理だ。  後ろ髪を引かれるけれど、銀花に向かってぷいってしてから部屋に駆け込み、止められる前に急いで着替えてスクールバッグを引っ掴んで玄関に飛び出す。 「  ! ……!」 「っ   ‼」 「   」 「    !」  リビングの方からはお父さんと銀花の荒げた声が聞こえてきて……  お父さんの体が一つしかないのはわかってるけど、オレの方に気を向けてくれなかったのがちょっと、胸に来て唇を噛み締めた。  そうでした……時間割してなかったんだった……  教科書は毎日きちんと持って帰るタイプだから机の中は空っぽで、しかも昨日部屋に入れなかったから時間割はできないし、宿題もできなかった。 「~~~~っ課っ題っ提出っ!」  握り締めたシャープペンがぎしって音を立てる。

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